雅子さまが励ました97歳女性 亡くなる1週間前の“奇跡”
この時、約100人の被災者が暮らしていた朝倉市杷木地区の仮設住宅「林田団地」をお訪ねになった。この仮設住宅の入り口で両陛下のご到着を待っていた人々の中にいたのが、当時97歳の古賀チトセさんだった。お車から降りられた雅子さまはすぐに車椅子に座っていた高齢の女性に気づき、チトセさんの前で膝を折られ話しかけられたのだ。
雅子さまはチトセさんの手を両手で包み込むようにして「冷たくなっていますね」と温められ、「長生きしてくださいね」と声を掛けられた。長時間外で待っていたチトセさんの体が冷えているのを、雅子さまは気遣われたのだ。雅子さまのご様子を隣でご覧になっていた天皇陛下も、思わず手を伸ばされて、チトセさんの手を握られた。
古賀さんは「天に昇るような気持ち。私は本当に幸せ者です」と、喜びを語っていた。
「この時のご様子から、これがご即位された後の国民との触れ合いのスタイルとなると感じられました。雅子さまの国民への寄り添い方を陛下が理解され、ともに国民を励ましたいというお気持ちがはっきりと出ていたのです」(前出・皇室担当記者)
古賀チトセさんは、今年5月14日に亡くなったという。享年101だった。