跡見学園女子大学(東京都文京区、学長:小仲 信孝)は、地域交流センター主催による防災シンポジウム『赤ちゃんとママを守る避難所づくり』を、2024年9月28日(土)に文京キャンパスで開催します。災害時の避難所における乳児(0歳児)連れの母親と妊婦のケアや防災への備えをテーマに、参加者が意見を交わし合うワークショップや、被災現場の母子の実情などに詳しい専門家らによるシンポジウムを企画しました。託児所と授乳スペースも用意しています。参加申し込みを9月23日(月・祝)まで受け付けています。文京キャンパス【開催目的】跡見学園女子大学がキャンパスを構える文京区は、2012年に全国に先駆けて、災害時に妊婦や乳児が避難する「妊産婦・乳児救護所」の設置を地域防災計画に明記しました。本学はいち早く、2012年に文京区との間で「災害時における母子救護所の提供に関する協定」を締結。震災が起きた際は学内に「妊産婦・乳児救護所」を開設し、自宅での生活が難しい妊婦と、乳児とその母親を一時的に受け入れて、避難生活のサポートや医療・健康相談を行う指定施設としての役割を果たすことになっています。元日の能登半島地震の発生や、日向灘を震源とした8月の地震以降の南海トラフ地震の可能性など、大地震への懸念が増しています。「妊産婦・乳児救護所」の存在を広く伝え、災害弱者とされる乳児や妊婦に対してどのような対策とケアが必要かを学び、考えるイベントを、9月の防災月間に合わせて開催します。【開催概要】『赤ちゃんとママを守る避難所づくり』日時:2024年9月28日(土)13:00~16:30 <第1部と第2部の2部構成>場所:跡見学園女子大学文京キャンパス東京都文京区大塚1-5-2(東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」から徒歩2分)対象:妊婦さんや乳児のいるご家庭のほか、どなたでも参加いただけます。第1部:ワークショップ(13:00~14:40)テーマ 『みんなで考えよう、赤ちゃんとママの守りかた』能登半島地震に見舞われた乳児のいる家族の体験談をワークショップの参加者に共有し、災害時にはどんな危険があり、何が大変なのか。どのような備えが必要かなどについて、グループに分かれて考えや意見を交わします。他のグループとも意見交換して被災時の認識を深め、対応策を考えます。第2部:シンポジウム(15:00~16:30)テーマ 『家族と地域の支えあい~避難所づくりのポイントは?~』文京区の妊産婦・乳児救護所づくりに携わってきた大学教授や助産師、文京区の防災担当者、避難所に詳しい内閣府の防災担当者、内閣府の「被災者支援の在り方検討会」座長を務める本学の鍵屋一教授など官民の専門家による視点から、「妊産婦・乳児救護所」の役割や必要性のほか、避難所に求められることなどについて話し合います。【登壇者紹介(予定)】松崎 政代氏:東京医科歯科大学 保健衛生学研究科教授=ママに寄り添う伴走者橋本 初江氏:東京都助産師会文京地区分会=文京区に根差したベテラン助産師西村 文彦氏:内閣府 政策統括官(防災担当)付企画官=避難所のプロフェッショナル長 陽介氏:文京区防災課地域防災担当係長=文京区の防災を担う行政マン鍵屋 一氏:跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授=防災の達人※『松崎 政代氏』の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。第1部、第2部どちらかのみの参加も可能です。会場には「妊産婦・乳児救護所」として災害時に使用する本学の備蓄物資を展示します。簡易ベビーベッドや乳児や妊婦のための居住空間をつくる災害用パーティションを公開し、使い心地も試していただけます。また、妊婦体験ジャケットを用意し、妊娠経験のない方が被災時の大変さを疑似体験できます。参加申込二次元コード参加申し込みはこちらから(9月23日締切)託児申込二次元コード託児サービスの申し込みはこちらから(先着順・9月18日締切) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年09月03日震災など非常時の備蓄品として、私は食料や水だけしかストックしていませんでした。しかし、実際に避難所で生活してみたところ、生理用品も必要だということがわかり……。 避難所で生活することになった私私はお正月に、祖母に会いに富山県へ行きました。そのとき、ちょうど大きな地震が起こり、私たちは避難することに。避難所で数日間暮らし、自分は非常時の準備ができていないことに気がつきました。 特に自分の考えが甘かったと思ったのは、ナプキンやタンポンといった生理用品についてです。避難所のお手洗いには、使用済みナプキンがゴミ箱から溢れていました。私はそれを見て、自分が思っているよりも「生理期間中の人は多い」と感じたのです。避難所でナプキンの配布があったとしても足りない可能性があり、自分で用意しておかなければ困ってしまいます……。 東京に帰るとまず…私は今まで、ナプキンを非常時の備品に入れていませんでしたが、東京に帰るとまず、ドラックストアでナプキンをいつもより多く購入。日頃の手持ちポーチの中に入れるだけでなく、災害があったときのためにストックして家に置いておくことにしました。 また、生理用品だけでなく、使用済みナプキンを入れるための黒いビニール袋も準備。 日々の備えが大切なのだと、身を持って実感した出来事でした。 著者/松谷えりな作画/まっふ 監修/助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。 ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!
2024年06月27日『海底47m』の製作陣による『エア・ロック 海底緊急避難所』(原題:NO WAY UP)が8月16日(金)より公開されることが決定。さらに本作が第一回東京国際サメ映画祭のオープニング作品になることが分かった。州知事の娘・エヴァは恋人と友人との卒業旅行のために、10歳のローザは陸軍出身の大好きな祖父母との3人旅行のために、CAのダニーロは彼氏との同性婚を夢見ながら大型旅客機に乗り、南国メキシコのリゾート地・サボへと向かっていた。だが飛行中、エンジンに鳥が激突して機体は高度2万フィートから、遥か海底へとあえなく墜落…。生き残ったのはエヴァとローズを含む僅か7名のみ。そして、生き延びられる場所は機内のエア・ロック、ただ1か所だけ。生存者たちは身を隠すように救助を待つが、そこは、決して安全ではなかった。襲い来る水圧、失われていく酸素、そして遂には海の捕食者が、機内に忍び込んで来る。飛行機内をたゆたう人喰いザメ!底なしの海底で刻一刻と生還不能へのカウントダウンが刻まれるなか、果たして彼らは生き残ることができるのか…。シャークケージ・ダイビングに興じる姉妹が、海底に落下した檻から脱出する様を描いた『海底47m』(17)、凶暴サメに襲われる大学生たちを描いた『海上48hours ―悪夢のバカンスー』(22)のプロデューサー、アンディ・メイソンが脚本を務めた本作は、次から次へと襲い来る危機的状況に主人公が追い込まれていく“詰み系”スリラーの最新作。数分に一度発生する生死を分かつアクシデントから逃れようとする、か弱き生存者たちの過酷なサバイバルを描く。この度解禁となったポスタービジュアルは、海底に沈む旅客機の中で恐怖に慄く生存者たちを捉えた1枚。「いま底にある危機」というコピーが、彼らの絶体絶命の状況を表している。さらに本作が、7月12日(金)~15日(月・祝)の4日間に渡り開催される「第一回東京国際サメ映画祭」のオープニング作品に決定。本映画祭は、国内外の未公開サメ映画を招待し上映する日本史上初のサメ映画特化型の映画祭。日本初公開の作品や、短編・中編作品の上映、さらにサメ映画識者によるトークショーなども実施される予定だ。『エア・ロック 海底緊急避難所』の上映は、オープニングの7月12日(金)。スペシャルゲストの登壇も予定されている。『エア・ロック 海底緊急避難所』は8月16日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。「第一回東京国際サメ映画祭」は7月12日(金)~15日(月・祝)、池袋HUMAXシネマズにて開催。(シネマカフェ編集部)
2024年06月21日■これまでのあらすじ物知りだと思って結婚した夫・哲司の情報源は、もっぱらインターネットだった。スマホを見ているばかりで家事育児を手伝わないことに、詩乃は頭を抱えていた。SNSでバズっているという便利家電は買ってくれるが、買ったら買いっぱなし。それよりも直接育児を手伝ってほしいと言ってみたところ、夫は詩乃を「情弱」だと罵って激昂。その姿に恐怖を覚えるも、詩乃は自分が我慢すれば家族を守れると思い込むようになる。あるとき、夫からあやしい投資セミナーに誘われるが、詩乃はSNSを信用しきれずに断った。その代わり、自立に向けてパートを始める。またあるとき、今度は脳を守るという帽子を娘・琴美に被せろと言い出した夫。娘の写真を撮って満足そうにしているが、夫の言動はどんどんおかしな方向に向かっていき…。ついには陰謀論にハマった夫。来月、東京が攻撃される!?東京が攻撃される前に、私の実家に避難しようと大騒ぎの夫。一部の人しか知らない極秘情報だと言いますが、どうせまたSNSで拾った陰謀論でしょう。そもそも、SNSで拡散されている時点で、それはもう極秘情報とは言えないのでは…?とはいえ、私が夫の暴走を止められるはずもなく、2週間分の着替えなどを持って実家へ向かうことになりました。私も娘も、その間はパートや保育園はお休みです。最近の夫の不安定さを、お母さんになんて説明しよう…。次回に続く(全13話)毎日更新!※この漫画は実話を元に編集しています
2024年06月14日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「能登半島地震2避難の課題」です。1次産業従事者が多いからこそ、難しい県外避難。能登半島地震は、発生から1か月経った2月5日現在、石川県内で約3万9000戸が断水、能登地方では約1800戸で停電が続いており、厳しい生活を強いられています。石川県内の避難所で生活をしている人は約1万4000人います。生活を立て直すまで、ホテルや旅館などの2次避難先に移ることを県は推奨しています。しかし、県内と隣県の施設に5000人以上が移ったほかは、27都道府県に確保した2万人以上分の受け入れ先は利用されていません。それは、被災した能登の多くの人が第1次産業の漁業や畜産業、伝統工芸など、土地に根付いた仕事に就いているため、土地を離れると生業そのものを失うからです。僕が取材に行った時にも、家も牛舎も傾いた危険な状況にもかかわらず、牛を置いていけないと語る被災者の方がいらっしゃいました。地域をいつくらいまでに再生させるなど、将来の復興計画を示さなければ、土地を離れたら戻ってこられないのではないかと、遠くに避難することを躊躇してしまいます。若い世代も、自分たちの故郷が将来、失われてしまうのではという不安を抱えています。短期的な緊急支援とともに、長期的な町の復興支援を考えなければいけません。もう一つ明らかになったのは、老老避難の問題です。高齢者がさらに高齢の住民を避難させ、避難所でサポートしなければいけない。輪島市のある地区では、76歳の区長が町内では若手として避難所の運営を任されていました。これまでの豪雨災害や土砂災害でも、高齢者から優先的に避難を促されましたが、実際には避難したくても動けないという問題が頻出していました。能登では、心を病む、持病が悪化するなど、災害関連死の問題が深刻化しています。避難所の環境も良いとはいえません。学校の体育館を避難所にすることが多いですが、ダンボールを敷いたところで冷たい床で快適に過ごすのは至難の業です。これだけ災害の多い国ですから、既存の施設を避難所に転用するのではなく、避難のための施設をきちんと整備して、逆にそれを平時にどう利用するかという発想に転換する必要があるのではないでしょうか。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2024年2月28日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2024年02月24日横浜港大さん橋国際客船ターミナルでは、横浜市消防局協力のもと、大さん橋ホールにてイベント開催時の災害を想定した公開避難訓練「大さん橋避難訓練コンサート」を2024年3月25日(月)に開催します。横浜市消防音楽隊※横浜市消防音楽隊提供会場イメージご来場いただいたお客様にご参加していただく「参加型」の避難訓練です。「横浜市消防音楽隊」によるコンサート中の地震発生を想定し、当館スタッフの誘導のもと避難を体験していただきます。避難訓練の前後には消防音楽隊の演奏をお楽しみいただけます。横浜港大さん橋国際客船ターミナルでは、安全・安心にお過ごしいただける施設を目指しております。今後、発生するかもしれない大規模災害に備え、災害に対する心構えと行動について考える日としたいと思います。いざという時の為に、ぜひご参加ください。【開催概要】場所 :大さん橋ホール日時 :2024年3月25日(月) 開場13:30 開演14:00(15:30終演予定)出演 :横浜市消防音楽隊内容 :コンサート開催中の地震発生を想定した避難訓練を行います。参加方法 :参加無料。事前申込あり。参加申込はFAXまたは公式ホームページ(以下、HP)から。募集人数250名程度 ※申込多数の場合は抽選。※申込締切:3月5日(火)主催 :横浜港大さん橋国際客船ターミナル(指定管理者:一般社団法人横浜港振興協会)協力 :横浜市消防局注意事項 :・本公演の趣旨にご賛同いただき、公演中に行われる避難訓練に参加していただける方。・動きやすい服装と履物でご参加ください。・報道機関等の取材がある場合がございます。・天候、事故、災害や社会情勢などにより、開催を中止することがあります。開催中止の際は、公式ホームページでお知らせしますお問合せ先:横浜港大さん橋国際客船ターミナル 総合案内 045-211-2304HP 【アクセス】アクセスマップ横浜港大さん橋国際客船ターミナル〒231-0002 横浜市中区海岸通1-1-4■電車でお越しの方・みなとみらい線「日本大通り駅」下車 徒歩7分・JR/横浜市営地下鉄「関内駅」下車 徒歩15分 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月22日発達が気になる子どもの避難や防災。事前にできる対策は?発達ナビでは、2024年1月18日(木)から1月24日(水)まで子どもの避難や防災に関するアンケートを行いました。今回はその中から避難所での過ごし方について、発達障害を専門とする井上雅彦先生(鳥取大学大学院教授)にご回答いただきました。避難や防災についてこのような質問が寄せられました。・わが子が常に多くの人がいる避難所で過ごすことができるか分かりません。今回の地震で中学生たちが集団避難をしましたが、災害時に安全な場所だとしてもわが子が親と離れて過ごすことは難しいと思いました。これから先、高校など家から離れている場所で災害が起こったときに、どのように対処するのか、何を教えておけばいいのか分かりません。<中学生、不安が強い>→Q1へ・わが子は、ビバンセを服薬しています。避難先や移動先で、スムーズに薬をいただけるようにするには、本人の財布やスマートフォンなどにも、治療内容や薬の処方箋の写真など入れておくべきでしょうか。混乱の中、ビバンセなど処方してもらえるものなのでしょうか。<大学生、ADHD(注意欠如多動症)>→Q2へ・お薬、特にコンサータはどこでも出してもらえるわけではないので、必ず携帯しようと思っていますが、お薬もなくなったらもっと不安が強くなるのではないかと心配です。災害時に服薬ができなくなったときはどのような対応をすればよいでしょうか。<中学生・高校生、共にASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)>→Q2へ・知的障害(知的発達症)を伴わないASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。精神障害者保健福祉手帳は未取得です。万が一、地震等で被災した場合など、手帳は取得しておいた方が良いのでしょうか?<6歳、ASD(自閉スペクトラム症)>→Q3へQ1:いざというとき集団避難はしたほうがいい?子どもが家族と離れた場所で被災したらどうすればいいの?(回答)集団避難は学校教育の保障のために行われています。宿泊先の配慮がどれくらいあるかなどによって、集団避難できるか決まってくると思います。お子さんの状態によって判断するとよいでしょう。個別の避難計画を立てておきましょう。どのような災害がいつ起こるかによって対応は違ってくるため「避難の際に持っていくものリスト」や「〇〇の場合、どこに避難するか」など話し合ってメモしておきましょう。岡山県のおかやま発達障害者支援センターで公開している災害時の『ファースト・ステップ・シート』作成の手引き、日本自閉症協会が作成した『自閉症の人たちのための防災・支援ハンドブック』などもぜひ参考にしてください。参考:災害時の発達障害児・者支援について|おかやま発達障害者支援センター参考:災害時における防災・支援ハンドブックとヘルプカードをご活用ください。|日本自閉症協会【記入例】Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンQ2:避難先で処方薬がなくなったときの対応は?避難先でビバンセやコンサータなども処方してもらえるの?(回答)避難所では必要に応じて災害処方箋が発行されます。避難袋の中にお薬手帳やそのコピーをいれておいて、避難した先で医療的な服薬を必要とすることを伝えましょう。薬の在庫の状況にもよりますが、災害発生から何日かするとビバンセやコンサータに限らずさまざまな薬の処方も可能となることが多いようです。お薬手帳やコピーがなくても、スマートフォンなどに処方箋の写真を残しておくことで処方がスムーズになります。平成23年(2011)の東日本大震災の発生後には厚生労働省から「情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)等に係る取扱いについて」通知があり、処方薬についても状況によって郵送が認められています。調剤された薬剤については、原則として、患者又は現に看護に当たっている者に交付することとするが、客観的にやむを得ない状況であると認められる場合に、郵送することは差し支えないこと。この場合、患者又は現に看護に当たっている者に対して、電話等により、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報提供を適切に行うものとする。引用:情報通信機器を用いた診療(遠隔診療)等に係る取扱いについて(平成23年3月23日)|厚生労働省 By 発達障害のキホンQ3:障害者手帳は取得しておいたほうがいいの?(回答)災害などのときは手帳の有無によって支援の違いはありません。福祉的な支援が必要な方のための「福祉避難所」の対象も手帳の有無ではなく、高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、傷病者、内部障害者、難病患者、医療的ケア児・者となっています。災害においては手帳の有無ではなく、万が一のときの対応を調べて家族で共有しておくことが大切です。Upload By 発達障害のキホン参考:福祉避難所の確保・運営 ガイドライン平成28年4月(令和3年5月改定)|内閣府(防災担当)まとめどのような災害がいつ起こるかによって対応は違ってくるため、「避難の際に持っていくものリスト」や「〇〇の場合、どこに避難するか」など個別の避難計画を作成しておきましょう。避難時に処方薬がなくなった際には、お薬手帳など処方に関する情報があると処方までがスムーズになります。また、本人の特性などを周囲に伝えられるように、プロフィール(特性や障害について分かるもの)などを用意しておけると安心です。ヘルプマークやヘルプカードなども活用しましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年02月11日発達が気になる子どもの避難や防災に関して知りたい情報は?発達ナビでは、2024年1月18日(木)から1月24日(水)まで子どもの避難や防災に関するアンケートを行いました。今回は、その中から避難所での過ごし方や福祉避難所について、発達障害を専門とする井上雅彦先生(鳥取大学大学院教授)にご回答いただきました。質問の一部をご紹介します。・知らない場所や、知らない人が多い場所では、多動の特性が強く出てしまい、すぐどこかに逃げてしまいます。そのような場合、避難所を利用するのは難しいのでしょうか。簡易テントは準備していますが、すぐに抜け出てしまうので、あまり意味はなさそうです。<4歳、多動、衝動性が強い>→Q1へ・衝動的に飛び出してしまう特性がある子どもは、どうしたらいいでしょうか。いつ、どこから飛び出すか分からない状況ですが、家族だけで24時間見守り続けることは難しく、避難場所にも行けないと思っています。その時だけ、施設や病院が保護してくれることはあるのでしょうか。<中学生、ASD(自閉スペクトラム症)・知的障害(知的発達症)・ADHD(注意欠如多動症)>→Q2へ・普段も外出先のトイレを嫌がる場合、いつもと違う災害時ではいつも以上に嫌がる可能性があると思います。日頃からできることや、災害時にできる工夫はありますか?<小学生、ASD(自閉スペクトラム症)>→Q3へ・普段から偏食が激しく、気に入らないと食べないことも多いです。非常時にはそんなことは言っていられないとも思うのですが、もし非常食を食べられなかったら……と思うと心配です。避難所にお菓子があるとも考えづらく、どう乗り切ればよいでしょうか?<4歳、こだわりが強く、衝動性・多動がある>→Q4へ詳しい回答はそれぞれの章をご覧ください。Q1:多動や衝動性のある子どもが避難所で過ごせるか不安です。(回答)避難のニュースが報道される中で多動性や衝動性のあるお子さんの保護者の方は不安に思われるのではないでしょうか。ホテルや旅館など比較的個人のスペースが確立している場所に泊まったときのお子さんの様子、修学旅行やキャンプの経験があればその様子を思い浮かべてみてください。避難所の状況にもよりますが、限られたスペースに居ることを要求されるとかなり大変ですし、あちこち動き回ってしまうこともあると思います。避難先が大きな部屋であれば、その中に簡易テントを張ることで、最低限のクールダウンスペースは作れるでしょう。あちこち動いても大丈夫なように、夏であれば外にテントを張る方法もあります。カーキャンプなどもできるかもしれません。その場合、平時の際にカーキャンプの練習などで本人の不安を和らげられるように練習をしておけるとよいでしょう。修学旅行や親の会でのキャンプ、家族での宿泊の経験は大人が考えている以上に子どもたちの練習になることもあります。修学旅行での配慮なども参考になるのではないでしょうか。小さい頃は難しいかもしれませんが、少しずつ練習できるとよいですね。避難所での生活においても、視覚的に次に何をするか(お弁当が出るのは何時など)が分かるように工夫できるとお子さんも見通しがつきやすくなります。また日中活動が安定するようなお子さん自身が楽しめる「こだわりグッズ」があったほうがよいと思います。動画を観られるスマートフォンやゲーム機器などが好きなお子さんの場合は、充電できるバッテリーなどを備えておけると安心です。Upload By 発達障害のキホンQ2:福祉的な支援が必要な場合、病院や施設で過ごさせてもらうことはできますか?(回答)福祉的な支援を必要とするというだけでは医療施設である病院で過ごすことはできません。「福祉避難所」に指定されている施設については入所できる可能性があります。事前に情報を収集しておきましょう。内閣府から出されている福祉避難所の確保・運営ガイドラインでは、福祉避難所の対象について次のように示しています。福祉避難所の受入対象者として想定されているのは、法律上「要配慮者」ということになる。要配慮者は、「災害時において、高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者」(災害対策基本法第8条第2項第15号)と定義されている。よって、福祉避難所の事前指定やその準備は、これらの人々を受入対象として備えておく必要がある。「その他の特に配慮を要する者」として、妊産婦、傷病者、内部障害者、難病患者、医療的ケア(※)を必要とする者等が想定される。これらの人々は、一般的な避難所では生活に支障が想定されるため、福祉避難所を設置し、受け入れ、何らかの特別な配慮をする必要がある。引用:福祉避難所の確保・運営 ガイドライン平成28年4月(令和3年5月改定)|内閣府(防災担当)知的障害(知的発達症)や発達障害の人も対象になりますが、受け入れられる状況によって要配慮者の中でも重症であったり、ニーズの高い方が優先されます。各市町村の行政窓口やWebサイトなどで福祉避難所の情報を調べることができます。平時の際に福祉避難所はどこに開設される予定なのか、災害時どうやってその場所に行くのかなどを検討しておくとよいでしょう。また、受け入れ施設によって全ての対応は難しいかもしれませんが、事前に行政窓口などにニーズを伝えておくことも大切です。自治体によっては、自治体から依頼された民生委員が面談などして、福祉避難所の対象者を把握したり、名簿を作ったりしている地域もあるようです。詳しくは、お住まいの行政窓口やWebサイトなどでご確認ください。Upload By 発達障害のキホンQ3:トイレを嫌がる子どもの場合、どうしたらいい?(回答)避難所の簡易トイレに入るのを嫌がるお子さんもいます。あらかじめ練習をしておくことは難しいと思います。あらかじめ家庭用の防災トイレ(車の中で使えるようなもの)やおむつなどを用意しておくとよいでしょう。Upload By 発達障害のキホンQ4:普段から偏食がひどい場合、災害時の食事はどうしたらいい?(回答)特定の食べ物やお菓子なら食べられる、またアレルギーのあるお子さんもいると思います。指定避難所はインスタント食品が準備されていたり、何日間かするとお菓子も届くことが多いようです。インスタント食品や非常食の中でどのようなものが食べられて、どれが食べられないかを事前に知っておくこと、食べられるものが少ないお子さんの場合は、数日分食べられるものを非難袋に備えておくことが大切です。Upload By 発達障害のキホンまとめ避難生活では日中の過ごし方が心の安定において大切になってきます。視覚的にスケジュールが理解できるための小さめのボードやペン、日中楽しめるこだわりグッズ、予備バッテリーなどは備えておくとよいでしょう。外での寝泊りや食事、防災トイレについては平時に体験する機会があるとよいと思います。福祉避難所の利用を検討する場合は、事前に情報収集をしておきましょう。
2024年02月02日オフィスや学校など、さまざまな公共の場で必ず目にする避難経路図。地震や火災などの災害が発生した際に必要な避難口や、避難階段、避難器具の設置場所などを利用者に伝えるものです。いざという時のために、事前に確認しておくと安心ですよね。ホテルの避難経路図をよく見ると…?バス・バリトン歌手として活動している、新見準平(@jump_213_ei)さんは、宿泊先のホテルで避難経路図を目にしました。一見なんの変哲もない経路図ですが、よく見ると『おかしな点』があることに気付いたそうで…。「このホテル、胃か何か落ちてる?」そこに書かれていたのは『消火器』ではなく『消化器』!消火を行うための消防用設備である『消火器』の設置場所を示すはずが、誤字によって、食道や胃といった食物の消化や吸収に関係する臓器である『消化器』が落ちているかのような状態になっています…。パッと見ただけでは分かりづらいものの、間違いに気付くとじわじわと笑いがこみ上げますね。新見さんが写真をX(Twitter)に投稿したところ、さまざまな反響が寄せられました!・よく消化されずに出て来られましたね…。・コーヒーを吹きました。きっと食堂(食道)へ通じるんだと思います。・そのポイントに行くと消化されてしまう!・ミステリー小説の本に書いてあるやつだ…。犯人は、何かのイベントで集められた宿泊客の誰かに違いない。たったひと文字の違いで生まれたシュールな状況に、さまざまなストーリーを想像してしまう人も多かった様子。実際に『消化器』が示された場所に行って、何があるのかを確認してみたくなりますね![文・構成/grape編集部]
2024年01月30日2024年1月1日、石川県能登地方を震源に発生した、令和6年能登半島地震。大地震から半月以上が経過した同月19日現在も、石川県内で避難所生活を送っている住民が数多くいます。避難所生活では、大量に発生するゴミを日々処理しなければなりません。避難住民が多いほど、ゴミ箱の数が不足することもあるでしょう。警視庁警備部災害対策課(@MPD_bousai)のX(Twitter)にて、『あるもの』を活用したゴミ箱の作り方が公開されました。警視庁発!超簡単なゴミ箱の作り方警視庁のXによると、丸椅子とゴミ袋さえあれば、簡単にゴミ箱を作ることができるのだとか。作り方の参考となる画像を添えて、分かりやすく解説されています。避難所では、ゴミが沢山出てゴミ箱が足りなくなります。そのような場合は、丸椅子があると便利です。写真を参考にしてください。椅子を逆さまにして、脚の部分にゴミ袋を被せれば完成です。ゴミ袋を広げて置ける土台になるものなら、椅子の形状は問いません。 pic.twitter.com/GylBJN00RA — 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) January 15, 2024 ゴミ箱作成の手順筆者は、警視庁の投稿を参考にしながら、丸椅子とゴミ袋を使用してゴミ箱を作ってみました。まずは、丸椅子を用意します。続いて、ゴミ袋の準備です。丸椅子の脚に引っ掛けられるサイズのものを用意しましょう。最後に丸椅子を逆さにして、脚にゴミ袋を被せるだけで完成です!なんと、一連の作業にかかった時間はたったの5秒。速く簡単に作れてしまうので、負担を感じることなく量産できそうですね。今回は丸椅子を使用しましたが、警視庁いわく、ゴミ袋を広げて置ける土台になるものであれば、椅子の形状は問わないとのこと。警視庁が公開したゴミ箱の作り方には、「なるほど!」「ライフハックだ」などの声が寄せられました。避難所生活をしている人はすぐに実践できる、ゴミ箱の作り方。災害時の備えとしても、ぜひ覚えておきたいですね。警視庁はXを通じて、避難所生活などに役立つライフハックを日々発信しています。災害時の知識を蓄えたい人は、警視庁のXアカウントを日常的にチェックしてみてはいかがでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2024年01月19日主人公のあおねろさんは、夫と青森で暮らしていましたが、夫はいつもスマホばかり見て過ごし相手にしてくれません。それどころか、生活費をゲームに課金してしまう浪費癖もあり、あおねろさんが貯金しようと努力しても家計は毎月赤字状態……。夫との生活にストレスを感じるようになったあおねろさんはうつ病になってしまいました。離婚を決意したあおねろさんは夫に気持ちを打ち明けましたが、夫はずっと一緒にいたいと離婚を拒みます。夫から逃れるため、うつ病の療養をする間だけとウソをつき、5年間暮らしていた青森を出ることに。母方の親戚・おばちゃんと、いとこ・オサムが住む家で居候することになったあおねろさんは、迷惑をかけてしまうと心配していましたが、2人はとてもあたたかく迎えてくれ、本当の家族のように接してくれました。そして、別居中の夫とトラブルなく正式に離婚が成立。あおねろさんは、本腰を入れて職探しを始めたのですが……。就職活動に苦戦中のあおねろさん。自分の能力を活かせるだろうと思った職種も、これまでの経歴は趣味にすぎないと言われ自信喪失してしまいました。しかし、そんな自分のことを心配して帰りを待ってくれる人がいるという環境に救われ……。私のことをそんなふうに思ってくれているなんて あおねろさんはおばちゃんから「ずっとうちにいてほしい」「娘か孫だと思っている」と言われます。 その後警察署から電話があり、おばちゃんが交通事故に遭ったことを知らされたあおねろさん。話ができすぎていたため、詐欺の可能性もあると若干疑ってしまいました。 オサムが帰宅して一緒に病院に駆けつけ、おばちゃんの無事を確認し安堵。検査の結果、肋骨3本にヒビと右腕・右足に打撲はあるもののCTには異常なく、入院は不要とのことでした。 しばらくは安静にしないといけないため、その間の家事は自分がやると買って出たあおねろさん。 けがはしたものの、食欲はあり元気そうなおばちゃんの様子に、あおねろさんはすぐに回復できそうだとホッとするのでした。 幼少期から家族からの愛情を求め続けていたあおねろさんにとって、おばちゃんから娘や孫のような存在だと言われたことは、心の底から嬉しかったことでしょう。 そんなおばちゃんの突然の事故の知らせに一同騒然としてしまいましたが、命に別状はなく入院も免れて本当に良かったです。 引き続き就活をする必要はありますが、これまで支えてくれたお礼も兼ねておばちゃんの容体が回復するまでしっかりサポートしたいですね。 >>次の話著者:マンガ家・イラストレーター あおねろ
2024年01月14日2024年1月1日16時過ぎに発生した、石川県能登地方を震源とする、令和6年能登半島地震。被災地では、家屋倒壊や大規模火災などの被害に見舞われ、多くの人が住まいを失い、避難所で生活をしています。避難所で役立つライフハック冬の避難所は、厳しい寒さとなっており、低体温症にかからないよう、注意が呼びかけられています。『低体温症』とは、深部体温が35℃以下になるもので、激しい震えや感覚の麻痺など、身体の機能を保てなくなる症状です。また、避難所では騒音やプライバシーの問題などもあり、慣れない生活環境に不安を抱く被災者は少なくないでしょう。ライフハック情報をX(Twitter)で発信している警視庁警備部災害対策課は、被災者が安楽に過ごせるように、避難所で役立つダンボールの活用術を紹介しました。ダンボールに頭部を入れる避難所での防寒対策が紹介されていましたが、防寒だけではありません。この方法により目の前が暗くなり、周囲の音も防げて就寝しやすくなります。また、貴重品を入れておくと、盗難防止、さらに地震等により避難する際は、頭部を守ることもでき、貴重品も忘れず持ち出せます。 pic.twitter.com/qyZRbIAWTm — 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) January 9, 2024 頭部が入るダンボールを用意するだけで、就寝時の防寒、防音のみならず盗難防止や頭部の保護など、多方面で活躍してくれます。同アカウントが紹介した方法は、環境が大きく変化する避難所生活で、安心感や生活リズムを保つ助けになることでしょう。警視庁のシンプルながら、画期的な防災知識に、ネットではこのような声が寄せられていました。・避難所の体育館は、就寝時間でも明るくて眠れなかったので、助かります!・頭部保護や光を遮るのに適してますね。試してみます。・他人と生活する避難所では、音が気になるのでいいかも。・保温性や遮音性がある上、寝顔を見られないのも安心する。警視庁の紹介する方法により、苦しい生活を余儀なくされている被災者の生活が、少しでも改善されるといいですね。1日でも早く、安心して暮らせる住環境が整うことを願うばかりです。[文・構成/grape編集部]
2024年01月12日災害が起きた時、障害のあるわが子をどう守る?2024年1月1日に発生した能登半島地震では甚大な被害が発生し、いまも懸命な救助活動や復旧作業が続いています。そして、避難所には多くの方が身を寄せていらっしゃいます。また、公的な避難所ではない場所や、電気や水道が通らない中自宅などで過ごしている方もいらっしゃいます。地震などによる災害に直面した時、障害のある子どもをどのように守ればいいのか、そんな「いざ」という時の備えに役立てていただきたいコラムをまとめてご紹介します。障害のある方やご家族にとって、災害時の避難所などでの生活は不安なものだと思います。そんな支援や配慮を必要とする方のために「福祉避難所」があります。いざというときのため、対象者や、避難の流れ、さらに事前に準備すべきことなどをまとめました。丸山さとこさんの息子さんのコウ君には、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)があります。幼児期には、感覚過敏による偏食があったり、パニックが起こりやすかったりしたコウ君。いざというときに備えて、コウ君の「苦手」を熟知する丸山さんが日常生活の中で取り組んでいるという防災ノウハウを教えていただきました。「避難行動要支援者名簿」を知っていますか?家族の中に、避難時に支援が必要な人がいる場合、この制度が大切な命を守ってくれるかもしれません。発達障害のあるお子さん2人を育ててきた寺島ヒロさん。お子さんたちはすでに大学院生と高校生になり、一人で出かける機会も増えてきました。家族がバラバラの場所で被災したら?そんな心配も子どもの成長と共に大きくなるもの。非常持ち出し袋の中身だけでなく、スマートフォンのアプリや日ごろ持ち歩くもの、普段の心がけまで、さまざまな工夫をシェアしていただきました。「障害のあるわが子と被災したら?」「何を用意しておけばいい?」「避難所で過ごせる?」など、保護者の不安や疑問はつきません。発達ナビの心強いサポーター・井上雅彦先生と一緒に「防災ノウハウ」について考えてみました。障害や発達特性のあるお子さんや保護者の方も慣れない生活の中不安な思いを抱えていたり、報道を目にして不安になっているお子さんもいらっしゃるかもしれません。この度、発達ナビでは避難や防災に関する質問を募集します。避難生活でのお困りごとや防災に関する疑問など、お寄せいただいたご質問からピックアップし鳥取大学 大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にご回答いただき、記事での公開を予定しております。複数質問のある方は、何度ご回答いただいても問題ありません。以下、フォームよりご応募ください。さいごに支援や配慮が必要な方のための「福祉避難所」や「避難行動要支援者名簿」、障害のあるお子さんのいるご家庭で実践できる防災ノウハウなどをご紹介しました。ぜひご家族で日ごろの備えについて改めて考え、話し合うきっかけにしてみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年01月12日2024年1月1日の午後、石川県能登地方を震源とする、令和6年能登半島地震が発生しました。家屋倒壊や地割れなど甚大な被害が報告されており、多くの被災者が避難所生活を余儀なくされています。冷え込みが厳しい真冬の時期に避難所生活を送ることは、被災者にとって心身ともに大きなストレスがかかるでしょう。同日、靴下やタイツを販売する『tabio』や『靴下屋』などを運営しているタビオ株式会社は、X(Twitter)に防寒対策を投稿。避難所で足先が冷える際の温め方を紹介しました。避難所で足先が寒い場合は、つま先を温めるのではなく、足首を温めてください。そちらの方が効率的に暖かくなります。また、靴下が濡れた場合は脱いで下さい。熱を奪います。— Tabio 靴下屋 (@Tabio_JP) January 1, 2024 投稿によると、足先が寒い場合は、足首を温めるとより効率的に暖かくなるとのこと。また、靴下が濡れていると体温を奪われてしまうため、すぐに脱いだほうがいいといいます。実際に筆者が手元にあったタオルを片方の足首に巻いてみたところ、巻いていないほうに比べてかなり暖かく感じました。※写真はイメージタビオ株式会社の投稿は拡散され、「知らなかった。これは記憶しておこう」「『靴下』目線の素晴らしいライフハックですね」「さすがです。足首、手首など『首』が付くところは暖まりやすいのかも」などの反応が寄せられていました。足先の温め方を知っておくと、災害時はもちろんのこと、普段の生活で冷えを感じた時にも役立ちますね。近年は、足首用のカイロやレッグウォーマーなども販売されているため、いざという時のために購入しておくといいかもしれません。[文・構成/grape編集部]
2024年01月03日皆さんは自宅が断水してしまったことはありますか?今回は、大きな地震で避難したときのトラブルエピソードを紹介します。イラスト:おかずマンションの6階で地震…揺れがおさまっても…避難したが…数日後…大きな地震がきて避難し、帰宅後に水が出ていてその金額にも驚いてしまった主人公。水が床に漏れていなくてよかったです。日ごろから家の中の設備を確認して整えておくとよいかもしれませんね。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(CoordiSnap編集部)
2023年11月08日記録的な大雨や大型台風、さらには巨大地震。そんな避難レベルの驚異的な災害が日常を襲った時、どんな行動をしますか。避難する際、身の安全を確保することがなによりも大切ですが、それと同じくやっておくべきことがあります。それは、「ブレーカーを切る」というシンプルなこと。実はこの行動が、二次被害を食い止めるカギとなるのです。二次被害対策!ブレーカーを落として火災防止関西電力送配電株式会社はホームページで、家の外に避難する場合、分電盤のブレーカーは切ってから出るよう呼びかけています。その理由は、地震が起きても、電気設備に異常がない以上、各家庭に電気は送り続けられていることにあります。電気の消し忘れだけでなく、避難時に停電していたが、避難中に復旧して家電が再稼働するという状況になれば、火事や事故につながる恐れがあるのです。例えば、洋服を掛けたハンガーラックが電気ストーブの上に覆いかぶさったり、家具家電の転倒により電気コードが損傷していたりすると、火災の原因になってしまいます。こういった二次災害を防ぐため、家の外に避難する際は、分電盤のブレーカーは切ってから出るようにしましょう。地震後は電気による火事が多い公益社団法人東京電気管理技術者協会によると、阪神・淡路大震災では、地震発生直後だけでなく、その後10日間に175件もの火災が発生。そして、その原因としてもっとも多かったのが、電気にかかわるものといわれています。災害時は停電も発生しやすいため、避難する時にはすでにすべての電気が消えているかもしれません。焦りや不安もあり、なかなか電気に関して意識が向かない傾向にあります。また、すべてのコンセントを抜いてから、というのも時間がかかりますし、漏れもあるでしょう。「避難時にはブレーカーを切る」これだけを覚えて実践するのが、確実です。災害時の避難は、自身や家族の命を守るためのもの。だからこそ、二次災害を防ぐためのブレーカーの切り忘れは絶対に避けましょう。避難の際は、身を守りつつ、まずブレーカーを確認し、安全を確保してから行動しましょう。[文・構成/grape編集部]
2023年09月07日【前編】「戦争で傷ついた日用品をアート作品に」ウクライナ避難民女性が創作に込める“願い”より続く昨年2月のロシア軍の侵攻以来、ウクライナでは多くの民間人が犠牲になった。今年4月の国連人権高等弁務官事務所の発表によれば、その数は約8千500人にものぼる。同事務所は「氷山の一角で、実際の死者はさらに多い」とも。現在の日本には、戦禍を逃れてきた2千400人以上の避難者が暮らしている。「去年の2月24日、私たち家族はキーウにいました。朝の4時ぐらい、爆撃の音で目が覚めたんです」あの日のことを、こう振り返るのは、現在は大阪・堺で、夫や子どもたちと避難生活を送るアンサリー・リュボフィさん(48)。イラン出身のメフティさん(43)と結婚し、3人の子宝にも恵まれ、リュボフィさんの母とともにキーウ郊外で、幸せな家庭を築いていた。しかし去年2月、ロシアから飛んできたミサイルが、その幸せを打ち砕いた。自宅のすぐ近くにミサイルが落ちたこともあったという。「自宅から目と鼻の先にあったショッピングモール。よく買い物に行った場所です。そこにウクライナ軍の迎撃ミサイルが置かれている写真を、誰かがSNSにアップしてしまって。それでロシア軍に狙われたんです」戦争は家族の思い出も、慣れ親しんだ日常も、容赦なく破壊した。集合住宅の地下から、夫が調理師として働いていた郊外のリゾート施設へ、家族は迫り来る爆撃をかいくぐるように移動した。スナック菓子で飢えをしのぎながら西へ、西へと移動。そして、スロバキアとの国境近くで、リュボフィさんたちは夜行列車に乗った。「母と、すでに結婚している私の長女は、キーウに戻ることを選びました。だから、2人とは国境の駅で別れました。でも、映画のセリフのような言葉を交わす余裕はそのときはありませんでした。空爆の恐れがあるので、列車内では明かりをつけたり携帯電話の電源を入れることも禁じられて。窓から遠くに落ちるミサイルの火が見えて、とても恐ろしかった」まず目指したのは、夫の親族がいるドイツ。総動員令下ではあったが、当時は、60歳以下の男性でも、子どもが3人以上いれば特例として移動を許されたという。「ドイツに着くと、日本で長年暮らしている夫の友人と連絡が取れて。日本がウクライナの避難民を受け入れているという話を聞いたんです。ただ、その友人は『本当に受け入れてくれるかどうかはわからない』とも。私たちは半信半疑の気持ちで、日本大使館の門をたたいたんです」幸いにも、ビザはすぐに下りた。情報をくれた日本在住の友人が、身元保証人にもなってくれた。こうして昨年7月、リュボフィさんたちは空路、日本に向かった。現在、リュボフィさんたちが生活しているのは、堺市の市営住宅。来日後、2カ月間は日本語学校に通いながら、近所を散策し、日本での生活に慣れる訓練をした。その後、末娘・アニータさん(9)は地元の市立小学校に編入。いっぽう、リュボフィさん夫妻、それに長男・ラミンさん(16)は仕事を探していた。夫の友人の協力もあって、3人は昨年10月から、回転寿司チェーン「くら寿司」の寿司ネタを作る加工場で働いている。「商品として提供するために魚を切る仕事です。はじめは不安もありましたけれど、少しずつ慣れてきました。家族一緒に同じところで働かせてもらえるのはありがたいです。ずっと下を向いて作業を続けるのは大変ですが、休み時間には職場の皆さんに日本語を教えてもらったり、私たちがウクライナ語を教えたり。カタコトの英語と身振り手振りでお話もできて、楽しく仕事をさせてもらっています」慣れない日本での生活。とはいえ、仕事も見つかり、リュボフィさんたち家族にも、少しずつ笑顔が戻ってきた。だが戦争は、彼女たちが祖国を離れて1年以上がたったいまも終わる気配すらない。「アニータは、通訳の方が週2日、一緒に登校してくれて、なんとか勉強にもついていけています。でも、自分だけまわりの子とは違うというのを感じているようで……」リュボフィさんは顔を曇らせる。それは、アニータさんがときおり、涙ながらにこう訴えるから。「早くウクライナに帰ろうよ」娘の言葉に、父母は言葉を失いそうになるという。「なだめすかすようにして『あと半年だから』とか、『あと1年だけ我慢して』と話すのが精いっぱいで。私のその言葉に、アニータはさらに激しく泣きじゃくってしまいます。親として、本当につらいです」リュボフィさん自身、いまも突然涙があふれてくることがある。「テレビやインターネットは基本的に見ません。つらいニュースに触れたくないから。見てしまうと夜、眠れなくなります。ウクライナのことを考えて、落ち込んで、頭が痛くなることもあります」祖国を離れる決断を下したころは「秋には帰れる」と思っていた。秋になり、日本で仕事を得たころには「来年春には、きっと戦争も終わる」、そう信じていた。「国からこんなに遠く離れて、これほど長い時間過ごした経験はありません。故郷に残してきた母や長女が心配でなりません。母はもう86歳になってしまいました。第二次世界大戦も経験した母は『私は生まれたときも、死ぬときも戦争なんだね』と、悲しい声で電話してきます。そんな母の言葉を聞くのも、とてもつらいです。戦争が終わって平和になったウクライナの家で、昔のように家族みんなで暮らす、それが何よりの願いです」彼らは前を向いて生きる。8千キロ離れた祖国に、平和が訪れる日を信じてーー。
2023年07月30日ベビーカレンダーでも人気のマンガ家の和田さんは当時茨城県で、小さいお子さん2人を子育て中でした。これは、和田さん一家が体験した震災の記録です。ガタガタの高速道路を高速バスで走って上野につき、そこから電車に乗って埼玉にある夫の実家へ移動しました。 避難生活で感じたことは? 義実家についてすぐ、夫は病院を受診し、薬を手に入れることができました。 一見普段通りの生活を送っているように見える義実家でしたが、原発事故の影響による計画停電で不便な思いをしていました。1日2回計画停電が実施されると合計8時間の停電。水道に電気ポンプを使用していたため、その間は水道も使えなくなってしまいます。停電の間は店舗が閉まるため買い物の時間も限られ、仕事もできなくなります。食事のときはロウソクを点灯。被害が少ない地域でも普段通りに暮らせているというわけではないことを、このとき知りました。 私の実家は津波の被害もあった地域。当時予断を許さない深刻な状況だった福島原発からも近く、また母は手をけがしていたため、とにかく心配でした。 思い返すと、10年前のあのときは本当にたくさんの人が「私の大変さなんて大したことはない」と言って、じっと不便さに耐えていました。それだけ東北地方沿岸部の被害が凄まじかったからだと思います。パニックにならず、大人も子どももきちんと列に並び、協力しあう日本の様子は、当時海外のニュースでも取り上げられていました。 もちろんパニックになっている人もいたし、理不尽なことや、腹立たしいこともたくさんあったけれど、あのとき必死に頑張っていたたくさんの人たちの態度は、本当に誇るべきものだったと、今でも思います。 夫の実家で生活し始めた和田さんですが、実家の状況を聞いて和田さんの心に異変が…。 ※この漫画は、2011年に「本当にあった笑える話」(ぶんか社)掲載されたものを、再編集・加筆しています。著者:マンガ家・イラストレーター 和田フミ江姉妹の母。趣味はゲームと旅行と美味しいものを食べること。
2023年03月06日ウクライナにおける危機により被害に遭われた方々、避難を余儀なくされている方々に、心よりお見舞い申し上げます。ライフコーポレーションでは、「大阪市ウクライナ避難民支援」に関して、大阪市より感謝状を受領いたしました。当社は、ウクライナからの避難者の方々への支援として、布団やタオル、食器などの生活物品一式を2022年12月に提供しております。引き続き当社は、地域を支えるスーパーマーケットとして、自社事業に関連した支援を継続し、安全・安心な生活の一助となれるよう努めてまいります。■支援内容提供内容:布団やタオル、食器などの生活物品一式(16品目)提供数:25名分 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月07日工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)は、避難所などで個人空間を提供するダンボールシェルターと、歴史的建造物の延焼を防ぐ技術の2件を、「危機管理産業展2022」(主催:株式会社東京ビッグサイト、特別協力:東京都)にて公開します。同展示会は、防災・減災・BCP・事業リスク対策・セキュリティを主なテーマとし、国・自治体・一般企業の危機管理担当者が来場するため、社会実装促進を目的に展示します。避難所などでプライバシーを確保するダンボールシェルターType2(1)避難所などでプライバシーを確保するダンボールシェルターType2(2)避難所などでプライバシーを確保するダンボールシェルターType2(3)工学院大学は、2011年に日本初の建築学部を開設し、3学科12分野で建築学を幅広く網羅した教育・研究を行っています。産官学連携による技術移転に力を入れており、JSTや地域が主催する産学マッチングイベントに積極的に出展しています。今回公開する2件は、いずれも企業との共同研究による成果です。1件目のダンボールシェルターType2は、2011年3月の東日本大震災をきっかけに始まったダンボール家具シリーズの一つで、避難所で個人空間を確保することを目的に、鈴木敏彦教授(建築学部建築デザイン学科)が大幸紙工株式会社と共にデザインと利便性を追求した形状です。2件目の高粘度液体を用いる消防技術は、茅葺き屋根など伝統的建造物における発災時の延焼防止・燃焼抑制効果を発揮します。総務省消防庁の令和元年度および2年度消防防災科学技術研究推進制度研究課題として、後藤治教授(総合研究所)と田村雅紀教授(建築学部建築学科)が能美防災株式会社と研究を進めました。いずれも実装による効果が高く見込まれることから、提携企業と研究課題採択官庁のブースで紹介します。燃焼抑制効果が見込まれる高粘度液体を使った実験■危機管理産業展2022概要日時 : 2022年10月5日(水)-7日(金) 10:00-17:00会場 : 東京ビッグサイト 西1・2ホール工学院大学関連ブース番号【1R21】大幸紙工株式会社(内容:ダンボールシェルターType2)【1S28】総務省消防庁(内容:「高粘度液体を用いた木造密集市街地及び伝統的建造物の消防技術の開発」)参加費 : 無料、完全事前来場登録制公式サイト: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月29日こんにちは、もりりんパパです。今回のお話は、いつか来るかもしれない「もしも」に備えて…です。わが家は熊本地震や2018年北部九州豪雨などの影響を受けた地域になるのですが、実際に避難をしてみて今後のことを家族で考えるようになりました。その過程となる避難するまでの心境や、その後家族で決めたルールなどをまとめてみました。それではどうぞご覧ください。豪雨で川が氾濫…※この時僕が実際に撮影した写真を使用しています。思い切って、避難することに今後の災害に備えるために家族会議の結果決まった避難プランいつか来るかもしれない「もしも」の時。もちろんそんな時が来ないのが一番ですが、万が一来た場合にどのように動けばよいか。そのシミュレーションをしていた方が、やはり動きやすそうだなと個人的には思いました。そして、家族全員がそろっている時に発生してくれれば良いのですが、相手は自然なのでそんな悠長なことも言っていられません。とくに子どもや高齢者に配慮しつつ、気を付けていきたいと思います。それでは今回のお話はおしまいです。ここまで読んでいただきありがとうございました!
2022年09月01日日本で一番長い歴史を持つ抱っこひもメーカー、LUCKY industries(所在地:岐阜県、代表取締役社長:樋口 博之)は、「3人抱っこできる避難用抱っこひも」が第16回キッズデザイン賞の子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門にて受賞したことを発表いたします。緊急時に多くの子どもを避難させる際に大きな問題となる人手不足問題の解消を目指し開発された避難用抱っこひもは、2022年3月発売以降保育園や病院などで採用されています。自治体によっては対象外となる場合がありますが、この製品は「施設型給付費の施設機能強化推進費加算の対象」ですので、少しでも多くの施設に普及していただければと思います。3人抱っこ/ヘッドガード使用時■「3人抱っこできる避難用抱っこひも」とは「より多くの子どもを少ない人数で素早く安全に避難させたい」という保育園の先生の声から生まれた避難用抱っこひもです。初めて使う方も安心な「簡単装着仕様」に加え、避難がより安全に行える「落下物から頭を守るヘッドガード、暗闇でも安全な反射材、防炎生地など、多彩な防災機能」を備えています。装着シーン■より安全な社会を目指して日本最大の病床数を持つ藤田医科大学病院に「3人抱っこできる避難用抱っこひも」を寄贈しました。これからも災害に強い育児環境が広まるように、ラッキーインダストリーズは取り組み続けます。藤田医科大学病院について: ■キッズデザイン賞とはキッズデザイン賞は、「子どもたちが安全に暮らす」「子どもたちが感性や創造性豊かに育つ」「子どもを産み育てやすい社会をつくる」という目的を満たす、製品・空間・サービス・活動・研究の中から優れた作品を選び、広く社会に発信していくことを目的に創設されました。キッズデザイン賞URL: 【製品概要】製品名 : 3人抱っこできる避難用抱っこひも抱っこひも本体+ヘッドガード+収納袋使用月齢 : 首がすわった乳児期(4ヵ月頃)~12ヵ月(体重10kg)※お子さま1人あたり。※最大3人のお子さまを同時に抱っこできます。※本製品の耐荷重は3人抱っこ時に30kgまでとなります。素材 : ポリエステル100%(日本防炎協会認定の防炎生地/試験番号A2120005(イ)ラベル)原産国 : 日本税込価格 : 38,500円(税込)販売サイト: ■LUCKY industriesについて1934年岐阜で創業、日本で一番長い歴史を持つ抱っこひもメーカーです。創業以来、累計4,000万本以上の抱っこひもを出荷。やさしさのある技術(テクニカル)を開発することで、赤ちゃんの成長サポートやママ・パパの快適さを追求してきました。“Amazing Life With Baby”LUCKY industries は、これからも抱っこひもを通じて、もっと楽しく、新しい、赤ちゃんとのライフスタイルを提案します。LUCKY industries 公式サイト: 【会社概要】商号 : ラッキー工業株式会社通称 : LUCKY industries(ラッキーインダストリーズ)代表 : 代表取締役社長 樋口 博之所在地 : 〒503-2423 岐阜県揖斐郡池田町青柳83-8創業 : 1934年1月事業内容: ベビー関連商品の企画・製造・販売資本金 : 1,000万円URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月30日■前回のあらすじ引っ越し先の近所には親戚の叔母さんが住んでおり、久しぶりに再会します。するとやつれた姿のあゆみを見て、異変を感じる叔母さん。「すべてを話して」と言われ、夫のモラハラ行為をすべて打ち明けると、叔母さんの家に来るよう促されるのでした。■夫がいない間に叔母さん宅に避難■警察からの連絡を受け、あゆみは…周りに事情を説明したことで、ようやく自分が置かれていた状況を理解するあゆみ。モラハラ夫から離れるため、少しずつ前進していくのでした。次回に続く「優しかった夫の裏の顔」(全35話)は21時更新!
2022年08月11日マンションに住んでいると、部屋によってはバルコニーに「避難はしご(避難ハッチ)」が設置されています。避難はしごは、災害など緊急時に玄関から出られなくなったときや、階段・エレベーターが使えなくなったときに階下へ避難するための大切な設備です。避難はしごについて「普段目にしているけど、詳しい使い方は知らない」「避難はしご付きのバルコニーは見た目が気になる…」といった声もお聞きします。避難はしごの使い方は蓋の部分に書かれていることが多いため、使用するときに大きく困ることはありません。しかし、もしものとき、焦らず対応するために使い方を確認しておくことは大切です。今回は、いざというときの避難はしごの使い方と、避難はしごが設置されているバルコニーの美観を高める方法をご紹介します。いざというとき、正しく使えますか?避難はしごにも種類があり、マンションに設置される避難はしごの多くは「ハッチ用つり下げはしご」と呼ばれるタイプです。これは避難ハッチと呼ばれるスペースに格納されたはしごが階下に下りる仕組みになっています。今回はこちらのタイプの使い方をご紹介します。使い方の3ステップ1.蓋のロックを解除して開けるまずは避難はしごの蓋を少しずつ持ち上げましょう。ただし、事故防止のためフックやチェーンによるロックがかかっているので、蓋は途中で止まります。数センチ持ち上げたらロックを解除し、蓋を開けてください。ロックの場所は蓋の表面に三角形や四角形などのシールが目印になります。2.蓋を全開にして固定し、はしごを下すロックを外したあとは蓋が固定されるまで全開にしてください。固定できたら次は避難はしごを下ろします。このとき、避難ハッチは下側にも蓋があるのですが、上の蓋を開けると自動的に下蓋とはしごが開くタイプや、下蓋を開放したあとにボタンを押してはしごを下ろすタイプなどがあるので、取り扱い説明書で確認しておきましょう。3.ゆっくりと下に降りる避難はしごを無事に展開できたら下に降ります。避難はしごは不安定なので1段ずつゆっくりと降りましょう。降りるときは避難はしごの両側を持つのではなく、足を乗せるステップ部分を両手でしっかりと掴みます。また、サンダルだと避難しにくいので、動きやすいスニーカーを準備しておくと、いざというときに安心です。迅速な避難のために。避難はしごで注意したいことは?避難はしごは安全のための大切な設備ですが、バルコニーの床から出張って銀色に光っているため結構目立つ存在です。そのため避難ハッチがあるバルコニーは、美観が気になる方も多いのではないでしょうか。しかし、見た目が気になるからといって重い家具やウッドデッキを上に置いて避難はしごを隠してしまってはいけません。移動させるのに時間がかかるものは、避難の妨げになるため置かないように注意しましょう。手早く美観を高めるなら、まずはラグがおすすめ避難はしごは隠せないとはいえ、おしゃれにするには少し目につくのも確かです。そんなとき、ラグはバルコニーの安全性を損なうことなく、避難はしごをさっと隠せるアイテムです。1枚敷くだけでバルコニーをおしゃれな印象に高めてくれますし、軽いので避難時にはサッと取り払うだけなのでおすすめの方法です。なかには、もっとバルコニーを素敵にしようと、ウッドデッキやバルコニータイルの設置を考えている方も多いのではないでしょうか。最近は市販品のデッキ材やタイルを購入してご自身で設置する方もいらっしゃいます。ただし、避難はしご付きのバルコニーに床材を設置する場合、蓋の開閉に注意が必要です。床材で避難はしごを上から覆ったり、避難はしごの周囲にびっしりと敷いた結果、避難はしごの蓋を開ける取手部分と床材が緩衝して、うまく開かないケースも見られます。うまく設置できたと思ってそのままにしておくと、緩衝に気づかずいざというとき避難できないことにもなりかねないので、きちんと蓋が開くかは必ずチェックしておきましょう。安全性と美しさを実現するクレガーレなら安心セキスイのクレガーレなら、周辺部材も豊富なため、避難はしごの周囲をすっきりと仕上げられます。タイルで納める場合は、避難はしごの蓋の開閉や取手の持ち手に影響がないように、必要なすき間に合わせてタイルをカットすることもできます。また、設置条件に応じて、幅調整材やプラスチックネットなどの専属部材を使って美しく仕上げることも可能。ご自身で床材を設置して、避難はしごのまわりや、排水パイプ周辺に微妙なすき間ができてしまった、ということがないので安心ですね。さらに、バルコニータイルを設置することで、床と避難はしごの蓋の段差を小さくすることができます。バルコニーの床全体がフラットに近づくので安心して歩行でき、避難はしごの存在感を抑えた一体感のあるバルコニーに変えられます。避難はしごのあるバルコニーもクレガーレを敷くことで、すっきりとした美しい空間に変わります。自宅バルコニーにある避難はしごが気になっている方は、しっかりと安全性に考慮したクレガーレで、安心で快適なバルコニーライフを始めてみませんか。バルコニーの見積もりはこちらから
2022年07月28日“災害列島”ともいわれる日本。地震だけでなく、これからの季節、大雨や台風による水害にも気をつけなければならない。万が一災害が発生したら、避難所の存在は非常にありがたいものだが、いざ避難所での生活が始まると、女性ならではのさまざまな問題が浮かび上がってくるという。実際の避難所生活は「イヤなニオイとの闘い」というのは、防災士の柳原志保さん。柳原さんは東日本大震災で被災し、避難所暮らしを余儀なくされた。その際の経験から、「不便でも我慢をするのが当たり前で、女性の視点が反映されていない」と痛感。後に防災士の資格を取得し、現在は防災啓発のため講演活動を続けている。当時、3月11日の地震発生直後から約2週間、母と2人の息子とともに、宮城県内の避難所に身を寄せた。そのときの光景は今でも脳裏に焼き付いているという。■女性の立場から見えた“本当に必要なもの”「いちばん困ったのはトイレ。避難所のトイレが排せつ物であふれてしまい、ニオイが室内まで充満して本当に苦しい思いをしました。でも、仮設トイレの設置までは、女性は外で用を足すわけにはいかない。凝固剤が入っている袋の中で用を足す持ち歩きタイプや、便器取り付けタイプの携帯トイレは必須だと思いました」(柳原さん)とっさに持ち出した荷物は、ティッシュとハンカチ、財布、携帯電話などが入ったバッグのみ。着のみ着のままで、逃げるのがやっとだった。避難所に物資が届いたのは震災の翌日で、おにぎりやお茶などの食べ物は配られたが、生活必需品はかなり後になってから。「避難グッズをあらかじめ用意するのであれば、リュック1個の中にすべてを入れて、安全のために両手は何も持たないようにしましょう。また、荷物の量は1泊2日分が目安。下着は何枚も持っていくとかさばるので、パンティライナーがあれば、ショーツは1〜2枚で足ります。また、ブラジャーはつけ外しが大変なので、タンクトップにカップがついたブラトップがあると便利で安全」(柳原さん)家族で避難したとしても、痴漢など危険な目に遭うこともあるので、ノーブラの状態は避けたほうがいいという。数日〜1週間は入浴できないことも想定して、水洗いできなくてもスッキリするドライシャンプー、ウエットティッシュや体ふきシート、制汗スプレーなど、ニオイ対策のグッズも準備しておこう。また、口臭対策に歯磨きガムも有効だ。そして、最も違和感を覚えたのは生理用品の支給を受けたとき。配布したのは男性で、生理用ナプキンを1人1枚ずつ配っていた。「必要な人は1枚では足りませんし、今までと違うものを使うとストレスがさらにたまります。生理が不定期になるゆらぎ世代でも、ご自身がいつも使っている生理用ナプキンを最低3日分は用意しておくと安心できます。また、尿漏れが気になる人は尿漏れパッドを用意しましょう。緊張や強いストレスを受けると、失禁することもあります。下着の替えには、吸水ショーツが1枚あれば万全です」使い捨ての下着はすぐにストックがなくなるうえ、ゴミにもなるのであまりおすすめしない。■ウクライナの女性兵士も活用する“下着セット”そんな女性視点を反映させた、「レスキューランジェリー」という下着セットに今注目が集まっている。東日本大震災で被災した女性たちの「下着の替えがなくてニオイがストレスだった」「下着は自分で洗いたかった」といったニーズに応えたもので、1.5リットル以上の水を入れて持ち運びできる小型のバッグの中に下着セットが入っている。【レスキューランジェリーの中身】・ブラトップ・ショーツ・布ナプキン・洗濯用洗剤・洗濯バッグ商品を開発したファンクションの本間麻衣社長は、避難の長期化に備えて、ストレスを少なくするための工夫が必要だったという。「女性にとって下着問題は重要で、ニオイはストレスにつながります。たとえ、ボランティアの人に洗濯をお願いできても、『下着まで頼むのには抵抗がある』という声を聞きました。自分で水をためて手洗いできるように、バッグにマチをつけ、立体的な形に工夫。そしてバッグを逆さまにし、内側にあるメッシュの部分を目隠しにしてバッグの中で干せるようにしました。セットの下着と布ナプキンは、消臭効果のある竹布を使い、洗剤も環境にやさしい成分に」九州北部豪雨(’17年)や西日本豪雨(’18年)、熊本豪雨(’20年)のときは、被災者に配った。今月は、ウクライナの避難民や女性兵士たちにもレスキューランジェリーを提供したという。「緊急時はパニックになりやすいんです。レスキューランジェリーはキャンプや旅行でも使えるので、ふだんから使って、いざというときに備えてほしい」(本間さん)ふだんから自治体の避難所や備蓄品をチェックしておくことも“備え”につながる。「なにより人の備えも大切」というのは柳原さんだ。【避難に備え注意したいこと】〈1〉長靴は水が入ると歩けなくなるのでNG〈2〉避難所の電源は使用が限られているので、太陽光で充電する小型バッテリーを用意する〈3〉スマホの電話がつながらないことが予想されるので小銭を用意する〈4〉避難の長期化に備えてふだんから家族や友人、親戚などに頼る方法も考えておく「コロナ禍で避難所の定員も限られているので、地域の避難所に入れないことも想定しておいたほうがいいでしょう。もしものときに身を寄せ合うなど、助け合えるように、家族や友人たちと情報を共有しておくと安心できます」(柳原さん)いつどこで地震や水害が起こるかわからない。どんなときでも対応できるように、ふだんからモノと人の両面で備えておこう。
2022年07月01日稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による「新しい地図」と日本財団の基金「LOVE POCKET FUND」は15日、ウクライナ避難民への支援に関して、渡航費支給者100人が決定したと発表した。「LOVE POCKET FUND」は4月21日、ロシアの侵攻によりウクライナの特に弱い立場にある女性や子どもたちの力になるため、ウクライナから来日する避難民支援約100人分の渡航費3000万円をポケットから渡すことを決定、準備を進めてきた。日本財団ウクライナ避難民支援室では、4月20日から申請の受付を開始、22日からは、在日ウクライナ人スタッフによるウクライナ語での問い合わせにも対応できる窓口を開いた。その結果、6月6日には100人の支給者が決定。支払先の情報が整っている人から順次、現金書留の送付を行っていく。
2022年06月15日2022年2月にロシア軍が、ウクライナへの侵攻を開始。同年4月現在も、ウクライナの各地に攻撃が行われ、多くの死傷者が報告されています。また、爆撃などを受け、家屋を含む建築物が倒壊。命からがらウクライナから脱出した避難民は、世界各国に助けを求めています。日本でもつらい目に遭っている避難民を受け入れるべく、相談窓口を設置したり、住む場所を提供したりといった支援を実施しました。ウクライナ避難民の、犬への『狂犬病』特例措置が議論に同月18日、避難民が連れてきたペットの犬に対する、狂犬病予防法に基づく防疫体制で特例措置を適用すると、農林水産省が決定したことが報じられました。狂犬病とは、狂犬病ウイルスを保有する犬や猫、コウモリなどの動物に咬まれたり、引っかかれたりしてできた傷口から侵入することで発症する、感染症。2022年4月現在も治療法が確立されていないため、人間が感染した場合はほぼ100%命を落とすといわれています。従来は、外国で飼われているペットが日本に入国する場合、狂犬病予防法に基づき、出国地政府が発行する防疫書類が必要です。※写真はイメージしかし今回は特例として、必要書類がない状態でも、予防状態を確認後に条件付きで、動物検疫所での係留措置を短縮するといいます。産経ニュースによると、1日2回の健康観察と動物検査所への週1回の報告を条件に、2回の狂犬病ワクチン接種歴と、血液検査で基準値以上の抗体価が確認できれば、飼い主の滞在先に飼い犬の同行が可能になるとのこと。特例にネットからは不安の声も厚生労働省によると、1950年以前の日本では、犬や人間が狂犬病で命を落としていたといいます。飼い犬の登録やワクチンの接種が義務付けられたり、野犬の抑留が行われたりといった狂犬病予防法の施行によって、国内の狂犬病を撲滅することができたのです。しかし万が一、世界各国で発生している狂犬病ウイルスが生き物の身体を経由して国内に侵入した場合、再び感染が広まってしまう可能性はゼロではありません。特例措置が報道されると、ネットからは狂犬病の発生に対する不安の声が上がりました。・ペットを想う気持ちは痛いほど分かる。でも、これは緩めてはいけないと思う。・可能性が低いとしても、一度広まったら取り返しがつかなくなる。死亡率を考えると、賛成できない。・特例を作るなら、費用の補助ではダメなんだろうか…。ペットは飼い主にとって、大切な家族の一員。そして日本の誰もが、一刻も早く避難民に笑顔が戻ることを祈っているでしょう。また先述したように、特例でもワクチンの接種歴や抗体価の確認は必須です。そのため、狂犬病ウイルスを保有した動物が入国する可能性は低いと思われます。しかし、日本が過去に努力の末、清浄国となった経緯があるからこそ、特例措置に対して獣医を含む多くの人から「審査を緩めるのは悪手ではないか」という疑問の声が上がっています。不特定多数の命が関係する、今回の問題。非常時だからこそ、慎重な判断を多くの人が求めているようです。[文・構成/grape編集部]
2022年04月19日「これから、ウクライナから避難してきた方と接することが、日本でも増えていくでしょう。避難してきた方は、『日本に避難できてよかった』と笑顔を見せるかもしれませんが、ほとんどの人は砲撃や爆撃の音が耳から離れないほどの壮絶な経験をされています。家族がまだウクライナ国内に留まっていたり、皆つらい別れを経験し、“自分だけ避難してしまっていいのか”という葛藤を抱えています。ウクライナから避難してきた人たちの感情を思いやりながら、日本人みんなで助けてあげられたらいいなと思います」こう話すのは、清風情報工科学院校長の平岡憲人さん(55)だ。同校は大阪市にある専門学校で、日本語学校を併設している。平岡さんは、日本国内にある日本語学校に呼びかけて、「ウクライナ学生支援会」を設立し、同会の代表を務めている。3月に設立された支援会には、これまでに首都圏や関西圏、静岡県、熊本県などにある30以上の日本語学校が参加。戦火が続くウクライナから学生や若者を留学生として受け入れるプロジェクトを進めている。計画では、短期滞在ビザで日本に入国した学生を、各地の日本語学校に入学してもらって日本語を学んでもらう。彼らの学費は、支援会が全額から半額を負担、生活も補助するという。「住居やアルバイト先の確保、住民票の取り方や銀行口座開設の方法、携帯電話の契約、ビザの管理などから、ゴミの分別まで、生活に関わるあらゆることをサポートします。すでに、自治体や民間企業から、宿舎の提供に協力すると申し出もいただいています。また、支援会に参加している学校の周辺住民からも『ウクライナから学生が入学したら協力したい』という声をいただいています」(平岡さん・以下同)そもそも、なぜ支援会を設立することになったのだろうか。「連日、メディアでウクライナの悲惨な状況を見て心を痛めていました。ある日、私の妻から、『教育で何かウクライナの人に貢献できる方法はないの』と言われて、ならばウクライナの学生や若者に、うちの学校に留学してもらって、学費や生活を支援しようと思いついたのです。もともとうちの学校では、外国の方に向けた日本語教育やIT教育に取り組んできました。勉強以外にも、外国人が円滑に日本社会に定着するノウハウがあるので、何か力になれることもあるだろうと……。しかし、わが校だけでは受け入れられる人数に限界があります。そこで、付き合いのある日本語学校を中心に声をかけてみたら、『ぜひうちも協力したい』という申し出がどんどんいただけて、支援会を発足することになりました」■母国を離れる娘と送り出す母親たちの葛藤支援会では3月下旬からオンライン会議システムを使って、日本への留学を希望するウクライナ人学生への面接を始めている。「3月中だけで、この留学プログラムに参加したいというウクライナの学生6人と面接をしました。現在、ウクライナでは18歳~60歳の男性は出国できません。国外に避難できるのは女性だけですから、今回のプログラムに応募された学生は女性のみです」平岡さんたちが面接した学生たちはみな、支援会のホームページやSNSでの告知を見つけて直接応募してきた。「ウクライナ東部に位置するドニプロに住む大学生は、両親がインスタグラムでこのプログラムを見つけて応募されました。もともと日本語を専攻していて、現地で日本語教師もやっていた経験があった学生です。彼女は、両親と弟の4人家族。一緒に日本へ避難しようと両親を誘ったのですが、『ウクライナを守るために残る。あなたは、まだ若いんだから日本に避難して勉強を続けなさい』と言われたそうです。また、原発がロシア軍によって攻撃されたザポリージャに住んでいた別の学生も、一緒に避難しようと母親を誘ったそうです。しかし、『私は国に残って家を守っておくから』と言われたと。彼女は、『たとえ日本に避難できても、親をウクライナに残してひとりだけ避難してよかったのか、毎日苛まれるかもしれない…』と葛藤していました」今回用意される留学プログラムには、家族での避難にも対応できるように用意している学校もあるというがーー。「受け入れ側の日本語学校のなかには、“家族で避難してきても受け入れる”という学校もあります。しかし先の学生のように、避難してくる娘や、国に残る親の両方が悩み抜いて決断を下しています。最終的にその学生は日本行きを決断したのですが、避難する娘、ウクライナに残る母親の両方が、胸が張り裂けるような思いをしているのです」留学生の第一陣は、4月11日の入学式に間に合うよう来日できた学生もいる。「最初10校ほどで、20人を第一期生として4月中に受け入れられるように調整が進んでいます。その後は5月末までに、100人~150人を協力校に割り振って受け入れられるようにしたいですね。日本に住んでいるウクライナ人の方にも、このプロジェクトに協力していただく予定です。参加している日本語学校を回ってもらって、留学生とウクライナ語での話し相手や相談相手になってもらうのです。学校では笑顔でいても、実際には故郷が爆撃を受けている状態が続いていれば、とても心中穏やかにはいられないでしょうから……」■最大のネックは渡航費の確保留学生の学費は、半額から最大で全額を学校が負担し、滞在費や渡航費などはクラウドファンディングで集めて、留学生への支援に充てるという。だが、問題も少なくない。「学生の受け入れにあたって、いま最大のネックとなっているのは渡航費です。そもそも、ウクライナ国内を移動して国外に脱出するのも一苦労ですが、そこからすぐに日本に向かえるわけではありません。例えばある学生が、電車を乗り継いで2日かけてウクライナから出国し、ポーランドの首都・ワルシャワに着いて、日本に向かおうとします。それにはまず、ビザを取得しないといけません。日本政府はすぐに発給する方針を示していますが、それでも3日前後はかかってしまいます。ビザがないと航空券は買えませんし、やっと買える段階になっても、すぐ乗れる便は高額で、手が届きにくい。そうすると、その学生は何日間かワルシャワ市内に滞在しなければなりません。その際の滞在費もかかるわけですが、避難する学生の家庭の経済状況はさまざまです。ポーランドに避難するだけのお金しかないという学生もいましたから……」平岡さんによれば、そうした学生を迎えに行ったり、泊まるところの確保を手伝ってもらうため、ポーランド在住の日本語教師に協力を仰いでいるという。「こうしたケースは、今後受け入れを進めるにあたって頻発すると考えています。海外渡航の経験もない学生も中にはいて、乗り換えが少ない航空便に搭乗できるようにしてあげたいのですが……」4月7日、岸田文雄首相は、ウクライナ避難民の日本への渡航を支援する方針を表明。日本行きを希望する人を集めて、ポーランドからの民間機の座席を政府が借り上げて移動を支援するというが……。「政府もいろいろと手を打ってくださっていますが、なかなかすぐに対応策がまとまって動き出すわけではありません。資産のある方に、留学生に乗ってもらうチャーター便を飛ばしてもらえればいいのですが、そうもいきません。まずは私たちの団体が、学生の渡航を精一杯支援していくつもりです。支援会を発足してから私たちは、渡航をサポートする費用はクラウドファンディングで集めています。渡航費がしっかり確保されていれば、もっと多くの学生を救うことができるので、今後も協力していただけるように呼びかけていきます」ひとりでも多くのウクライナ人の学生が、日本で平穏に勉学に励めるようになってほしいものだーー。
2022年04月13日『カップヌードル』『日清のどん兵衛』などのインスタント麺を製造、販売している日清食品ホールディングス株式会社(以下、日清)。2022年3月9日、同社はロシアから侵攻を受けているウクライナの避難民に対し、インスタントラーメンの寄付を行うと発表しました。日清、ウクライナの避難民にラーメン10万食を無償提供同年2月24日から続いている、ロシアによるウクライナ侵攻。ウクライナの各地で戦闘が行われ、家屋が破壊されるほか、多数の死傷者が出ています。日清食品グループでは、欧州の中央に位置するハンガリー日清がいち早くインスタントラーメンの10万食を無償提供。また、日清の社長は、国際連合世界食糧計画WFP協会に1億1500万円の寄付を行うといいます。食品や寄付金は、国連や赤十字などの信頼できる団体を通して、避難民を支援するために活用されるとのことです。同社は今回の支援にあたり、会社が掲げる信念をこのように明かしています。日清食品グループは、創業者・安藤 百福 (あんどう ももふく) から受け継ぐ「食為聖職 (しょくいせいしょく)」(食の仕事は聖職である) の精神に基づき、人々の生命の根源を支える「食」を通じて、人々の健康と世界の平和に貢献することを使命としています。ウクライナや近隣諸国で困難に直面している多くの方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く平穏な日々が戻ることを祈念しています。今後も動向を注視しながら、厳しい状況の中で苦しんでいる方々への支援に努めていきます。日清食品グループーより引用日清の発表に対し、ネットからは「インスタント食品は日持ちもいいし、素晴らしいチョイスだ」「こういう取り組みができるのは本当にかっこいい」といった称賛の声が上がっています。食べ物がなければ、生きていくことはできません。空腹によって、さらにつらい状況に立たされている人も多く発生しているでしょう。日清の支援が困っている人たちに届き、この戦いが一刻も早く終わることを多くの日本人が祈っています。[文・構成/grape編集部]
2022年03月09日ベビーカレンダーでも人気のマンガ家の和田さんは当時茨城県で、小さいお子さん2人を子育て中でした。これは、和田さん一家が体験した震災の記録です。ガタガタの高速道路を高速バスで走って上野につき、そこから電車に乗って埼玉にある夫の実家へ移動しました。 避難生活で感じたことは? 義実家についてすぐ、夫は病院を受診し、薬を手に入れることができました。 一見普段通りの生活を送っているように見える義実家でしたが、原発事故の影響による計画停電で不便な思いをしていました。1日2回計画停電が実施されると合計8時間の停電。水道に電気ポンプを使用していたため、その間は水道も使えなくなってしまいます。停電の間は店舗が閉まるため買い物の時間も限られ、仕事もできなくなります。食事のときはロウソクを点灯。被害が少ない地域でも普段通りに暮らせているというわけではないことを、このとき知りました。 私の実家は津波の被害もあった地域。当時予断を許さない深刻な状況だった福島原発からも近く、また母は手をけがしていたため、とにかく心配でした。 思い返すと、10年前のあのときは本当にたくさんの人が「私の大変さなんて大したことはない」と言って、じっと不便さに耐えていました。それだけ東北地方沿岸部の被害が凄まじかったからだと思います。パニックにならず、大人も子どももきちんと列に並び、協力しあう日本の様子は、当時海外のニュースでも取り上げられていました。 もちろんパニックになっている人もいたし、理不尽なことや、腹立たしいこともたくさんあったけれど、あのとき必死に頑張っていたたくさんの人たちの態度は、本当に誇るべきものだったと、今でも思います。 夫の実家で生活し始めた和田さんですが、実家の状況を聞いて和田さんの心に異変が…。 ※この漫画は、2011年に「本当にあった笑える話」(ぶんか社)掲載されたものを、再編集・加筆しています。著者:マンガ家・イラストレーター 和田フミ江姉妹の母。趣味はゲームと旅行と美味しいものを食べること。
2022年03月09日