「毎年8160円負担増」の試算も…“コロナ増税”の恐未来
つまり、政府はこれ以上、コロナ対策として出せるお金がないと考えているはずです。経済が成長しさえすれば、GDP(国内総生産)が上がることで政府債務の比率は下がるのですが、コロナ禍により経済はたいへん落ち込んでいる。政府は現状、増税しか手段がないとみているのでしょう」
国民が、いつ収束するかわからない“コロナ第2波”に再び恐怖している最中に、国は着々と“アフターコロナ増税”の計画を進めているという事態……。
では、この増税はどのような規模で、いつから実施されるのか。加谷さんにシミュレーションしてもらった。
「財務省が参考にするのは『復興特別税』でしょう。政府は東日本大震災の復興にかかる財源の確保のために、特別措置法(特措法)として同税を導入しました。主な内容は、’13年から’37年までの25年間に、所得税額の2.1%を徴収するものです。
これと同じようなプランをもとに、『コロナ特別税』というかたちで、長期間に徴税できるシステムを想定していると思われます」
震災復興予算は総額32兆円となっていて、このうちの10.5兆円分を「復興特別税」でカバーしている。その内訳は、ほとんどが所得税額の2.1%として徴収しているもの。