しずかちゃん演じた82歳声優「これからは声優界に恩返しを」
、のび太役の小原乃梨子さん(84)、ジャイアン役のたてかべ和也さん、スネ夫役の肝付兼太さん(ともに享年80)らが、そのまま引き継いだ。それぞれ共演も多かったが、5人が一堂に会する現場ははじめてだった。
「1回目の収録のとき、現場にはテレビ朝日のお偉いさんも集まっていたのに、のんちゃん(小原さん)が風邪をひいて、声が出ない。それで収録が急きょ、中止になったんですが、代わりに東京飯店で食事会ができたんです。それぞれ同年代だったこともあって、仲間意識を高めることができました」
声で結ばれた仲間は、やがて“家族”のような存在になった。しずかちゃん役も10年、20年と続けると、分身のような存在だ。
「年齢による声の変化に合わせて、絵を描いてくれているんじゃないかと思うくらい、ごく自然に演じられたんです。でも、体力的な問題も出てくる。
風邪をひけば長引くし、イベントで全国を回るのも限界。なにより、60歳を超えて『しずかちゃんのお姉さんです』とイベントで紹介されるのは、さすがに抵抗がありますよ」
04年ごろ『ドラえもん』の制作サイドからも「メンバーを刷新したい」と打診があった。 これを機に、野村さんは『サザエさん』も降板。