しずかちゃん演じた82歳声優「これからは声優界に恩返しを」
ワカメちゃんを29年、しずかちゃんを26年演じ続けたが、最後の収録も“いつか同窓会をしよう”と約束したから、さみしさよりは、安堵感のほうが強かった。だが、野村さんはその後、がん闘病生活を送る夫で声優の内海賢二さんを支えることとなる。
「50代後半から膀胱がんになって、一度は元気になったんですが、7~8年たって再発してしまって。見つかったときはステージ4でした。厳しい塩分制限もあって、私の手料理しか食べなかったんです」
内海さんの最後の仕事は、亡くなる10日前。5日前にもNHKに出かけたが、体調不良で仕事にならず、帰宅後、意識不明になって、救急搬送されたのだった。
「病院側も大きな個室に移すほど、連日、大勢の声優仲間や社員が来てくれて、幸せな最期でした。でも、もうちょっと生きてほしかったです」
野村さんにとって、悲しい別れは続く。
ドラえもんファミリーとの「同窓会」をする約束も、ついに果たせなかったのだ。
「ペコさんの認知症がニュースになったと思ったら、かべさんが胃がんで15年に、肝さんが’16年に、立て続けに亡くなって……。“何でこんなときまで一緒なの!?”って、すごくショックでした」