黒柳徹子語るシャンシャンの魅力「命名には32万件の応募が」
それから本格的に洋書店に行き、写真集を見て、パンダの写真があると買って、スクラップしていました。生きているパンダを初めて見たのはロンドンです。日本に来る10年くらい前のことでした」
パンダ初来日の72年当時、パンダという生き物を知っている日本人はほとんどいなかったそうだ。歴代パンダのなかで、黒柳さんのいちばんのお気に入りは、カンカンだ。
「飼育員だった本間勝男さんが、ご飯をあげる裏口のおりのそばに案内してくださったことがあって。おりに近づいたら、カンカンがトコトコ寄ってきて、おりの間から手を出して。私の頭をトントンって触って、なでてくれたんです。『いいこ、いいこ』するように。
もう、うれしくて、かわいくて!その様子を見ていた本間さんが、
『おーい、カンカン。あっちの姉ちゃん(ランラン)にも関心もってくれよ』って。私は笑ってしまいました」
カンカンが飼育員以外の人に親しく近づいたのは、後にも先にも黒柳さんだけだったという。その後、ランランと交尾を成功させたカンカンだったが――。「ランランは、自然妊娠後に妊娠中毒症などの合併症を起こして死んでしまいました。だから、シャンシャンが生まれたとき、私は跳び上がるほど喜びました。