“子育て後”の夫婦の形…「別居」を選ぶなら準備は周到にしよう
「同じ家に住みながら、関わりを持たない家庭内別居」「休日だけ別々に過ごす、あるいは一緒に過ごす」など、じつにさまざまだ。
「残り数年なら我慢もできるでしょうが、人生100年時代、ここから40年は長すぎますよね。相手に不満があるなら、きちんと伝えるべきです。ただし、爆発させるのは考えもの。多くの場合、夫は妻の不満に気づいていないので伝わりづらく、自分自身も疲れますから、小出しにして様子を見るほうが得策です。もしかしたら、相手も距離をとりたいと思っているかもしれないし、そうであれば合意を得やすいですよね」
そして何より、心地よく暮らすには経済的な安定が不可欠だ。
「日本の家庭は妻がお財布を握っている、なんていわれますが、資産となると別で、家も夫名義の場合が多いですよね。妻は、今日の大根を買う自由はあっても、資産を動かす自由はない。
経済と気持ちを天秤にかけ、相手の譲歩を引き出しながら、妥協できることは妥協することも必要です」
それでも別居を選ぶなら、用意周到な準備が必要になる、と話すのはかがりび綜合法律事務所の野条健人弁護士だ。「最近の相談で目立つのが、夫のモラハラです。モラハラという概念が広く知られるようになったのも一因ですが、残念ながら、無意識な夫は多い。