東京・瑞華院に1000本の桜咲く。花人・赤井勝さんがコロナ終息に込めた願い
赤井さんが着目したのは2本の道路にはさまれるように建つ寺の立地だった。
「通り抜けなら、間隔をとってひと組ずつご案内すれば、人が滞留することもないから、みなさん、密を気にせず桜を楽しめるはず、そう思いついたんです」
コロナ禍でつらい思いをしている人の心を癒したい、そんな花人の趣旨に賛同したのが、彼から長年、装花のレッスンを受けてきたイタリア、コロンビア、ウクライナ、セネガルなど25カ国の大使夫人たち。会場には彼女らが桜に寄せたメッセージも飾られている。
「みなさんの自国もコロナに苦しめられている。それに、大使や夫人たちも、帰るに帰れず困っていたりもします。そんななか、日本に赴任してきて大好きになった桜を通じて、コロナ終息を祈念するメッセージが発信できるなら、と快く参加してくださいました」
イベント初日、会場に駆けつけた大使夫人や関係者の多くは、そろいの桜柄のマスクを着用していた。これは、やはり赤井さんが装花を教える大阪・八尾市の保育園の子供たちの描いた桜をマスクにプリントしたもの。赤井さんは言う。
「マスクってとても大事なものじゃないですか。自分の命を守り、自分の大切な人の命も守るもの。