2021年9月28日 15:50
コロナ禍の保健所の過酷さを後世に 79歳女性映画監督の奮闘
朝は8時半からですからね。帰ったらバタンキューで寝るだけ。朝起きたら顔を洗って出てくる。そういう生活が1年以上続いてる。実際、体調を崩して休職される方は多かった。いまだ職場復帰できていなかったりする。私の知っている人でも何人もいます。
休職するつもりじゃなくて、普通に出勤していて、ある日突然来れなくなって、そのまま長期の休職になったという人もいます。
だから、机の周りもそのままの状態。女性保健師の方でした。いつ過労死してもおかしくない状況の中で、壮絶なお仕事をされていました」
そんななか保健師たちはプロ意識をもって頑張っている。「だけど」と宮崎監督は続ける。
「だけど、保健師たちの奮闘を美談にしてはいけない。彼女たちにこんなに負担をかけているのは、保健所の数が少ないとか、人員が足りないとか、緊急対応に対する体制ができてないとか、構造的な問題。でも彼女たちは前向きに頑張っていた。たぶん、そのことが映像から伝わるんじゃないかと思います」
映画のタイトルは、一人の保健師から出た言葉から決めた。
「年が明けてすぐのことでした。『大変な状況ですね』と応援に来た40代の保健師にカメラ向けたら、『私たちはずっと終わりの見えない仕事をやってきたので、そのへんが辛いですね。