2021年10月4日 11:00
最高齢女性サーファー71歳!ビッグウェーブに年齢関係なし
『始めたことは結果が出るまでやれ』と。だから、サボりながらしばらくは続けましたけど。結局は行かなくなりましたね」
すぐに、強烈にやりたいことが見つかった。それは中学卒業前の春。友人と遊びに行った平塚で海を眺めていると、波間に見たこともないスポーツに興じる若者たちがいた。やがて、海から上がってきた彼らに、好奇心を抑えきれずに尋ねた。「これは何?」。すると、1人の少年が教えてくれた。
「これはサーフィンっていうんだ。一緒にやろうよ、楽しいから」
15歳、運命の出合いだった。
ほどなくして、笈川さんは平塚の海に通い始める。小学生時代、水泳大会に出場するなど、泳ぎには自信があった。それなのに、初めはまるで歯が立たなかった。
「沖に出ることすらできないの。板の上に腹ばいになってパドリング、手で海面をかいて進むんですけど。そのうち波がザブンと来てひっくり返され戻される。
当時は足首と板をつなぐリーシュというひももなかったから、流されちゃった板を泳いで取りに行って。またパドリングしてザブンと波にやられて……。ずっと、その繰り返し」
沖に出るのに数カ月、ボードの上に立てるまでには、1年近くを要した。