2021年11月14日 06:00
「友人全員失った」元“反ワクチン”派の女性が語る陰謀論の代償と後悔
そんな折に、新型コロナウイルスの流行が始まった。世界的パンデミックを前に、彼女が至った考えは“コロナは世界の資本家が人口削減のために考えた策略”というもの。
「地球環境が限界を迎えていて資源や食料が足りないから、人口を減らすためにコロナが使われている。コロナワクチンを打ったら死んでしまうって本気で思っていたんです。
この事実を広めなければいけないという正義感にかられて、人工呼吸器をつけたマネキンの怪しい動画をリツイートしたり、コロナに感染した、という人をツイッターで見つけては引用リツイートで『ここの論理が破綻している』と投稿。コロナは恐れるものではない、ということを主張しつづけました」
現実世界の知り合いのことも説得しようとしたが、全く相手にされなかった。「悔しかった。ワクチン打ったら2年後に死ぬんだから!最後には私が正しいってわかるんだから!そう思っていました。
それで、特に激しく衝突した学生時代の友達とは縁を切ってしまったんです」
現実世界に友達はいなくなったけれど、ツイッターでは友達ができた。ダイレクトメールやラインで情報交換をしたり、時には実際に会ってお茶をする。日常の孤独感はそうやって埋めていった。