2021年11月14日 06:00
「友人全員失った」元“反ワクチン”派の女性が語る陰謀論の代償と後悔
そんな様子をそばで目撃したことも、ピンクドルフィンさんの医療に対する不信感を募らせた。その後、大人になって結婚したピンクドルフィンさんは、自身の妊活をきっかけに、自ら非科学的な民間療法にのめり込むようになる。
「赤ちゃんがほしかったけれど、まだ若いし不妊治療には抵抗がありました。それで、食事療法で不妊を解消できるという先生を訪ねたんです」
彼女が頼った食事療法の先生は、医師免許はないものの、整体師の資格や健康に関する民間の資格はたくさんもっていたという。
「その先生は、不妊に悩む私に、1時間以上、なんで不妊になるのかと、医療の“本当のこと”を丁寧に教えてくれました。
日本の食事は農薬と添加物の含有量が世界一。そのせいで体に毒がたまって不妊になる。製薬会社や医療には利権が絡んでいて、風邪を治す薬は絶対にできないし、ワクチンや薬は不妊や自閉症の子供が生まれる原因になる——。
今はデマだとわかるけれど、当時の私は、父のことを思い出して“やっぱりそうなんだ!”って信じ込んでいました」
大きな衝撃を受けたピンクドルフィンさんは、その日から“解毒”に取りつかれる。まずはいい水やサプリをその先生から50万円分ほど購入。