「苦しみも人生の栄養」乳がんに2度の離婚、南果歩を救った寂聴さんの言葉
先生と初めてお会いしたのは、女性自身さんの対談企画(’95年4月25日号)です。そのとき『もう(おなかのなかに赤ちゃんが)入ってんじゃないの?私の勘は当たるんだから』と、おっしゃったのです。まだ公表していなかったのですが、本当に妊娠中でしたのでドキリとしましたね。それ以降、先生のお誕生日の5月15日ごろにご挨拶に伺うようになりました」
南果歩さんは2度の離婚を経験。また’16年には乳がんが発覚し、その後に手術を受けた。
「つらいことがあるたびに先生に救っていただきました。闘病のときには、『病気にならないに越したことはないけれど、病気をしたことで、これまでと違う物事の感じ方ができるようになる。別の人間になるチャンスを与えられたのよ』と。
確かに自分が苦しい思いをすれば、人の痛みがわかるようになりますし、人にも優しくなれますよね。そういう意味では病気になることは、悪い面だけではないと思えるようになりました。そして2度目の離婚のときには、『いろいろな感情を味わいなさい。すべてが人生の栄養になりますよ。何かあるほうが人生に彩りを与えてくれる。苦しいことも含めて人生なのよ。一人になったのだから、これからは自由に生きられます』と。