【値上げ商品カレンダー】日用品から公共料金、保険料まで38品目
(加谷さん・以下同)
さらにここにきて、世界で広がりつつある“脱炭素”の影響が出はじめている。
「産油国の側からすると、石油はいずれ使われなくなるエネルギーなので、今のうちに高く売っておきたいという思惑があります。産油国が増産に応じないのは、価格を下げたくないからなのです。原油価格に連動してガソリンの値段が上がってきているところに、コロナ禍による物流の混乱が加わり、輸入品の価格上昇に拍車がかかっています。これらは、短期的に収まる話ではなく、これから5年、10年と続いていくものだといえます」
原油価格の上昇はガソリンの値段に直結するほかにも、さまざまな製造コストや、工業製品の原料価格にも影響してくる。
そして、ここに来て新たな不安材料が出てきた。2月下旬に勃発したロシアによるウクライナへの軍事侵攻だ。原油価格はこれまで1バレルあたり90ドル程度で推移していたのが、3月3日には約年半ぶりに116ドルを突破した。
「火力発電に使われる天然ガスの価格は原油価格に連動しているので、原油価格が上がれば、電気料金、ガス料金の値上げにも直結してきます。また、公共料金は上がり続けていますので、すでに家計を直撃しています」