2022年9月4日 06:00
元統一教会信者で、脱会を支援する牧師が語る“ハンカチ売り”の日々と贖罪の気持ち
世界を救うには、時に違法行為だって必要だろ、ぐらいの気持ちでした」
■「やめる」と噓をついて教団に戻るつもりが“スパイ扱い”されて、暴力を受けた
組織から「きつい説得を受けたら『やめる』と噓をついて逃げ出せ」とも教えられていた。
「私も『やめる』と言いました。両親から『友達はどうするんだ?』と聞かれてしまって」
じつは竹迫さん、高校の同窓生を7人、勧誘していた。
「仕方なく『彼らにもやめるよう勧める』と答えると、私を単独で行かせることを不安視した両親が、牧師を同行させた。監視役ですね」
松葉杖をつきながら、牧師を伴い、友人宅を回った。
「表向きは脱会しても、隠れキリシタンのように信仰を続けようと思っていた。でも、監視役の手前、友人たちにはそうも言えず……」
友人のなかには牧師が見せた資料を目にして、ショックを受ける者もいた。彼らは竹迫さんの偽りの説得に、次々と折れていった。
「そのうちの1人がビデオセンターに電話してしまった。『竹迫が牧師を連れ説得に来たのでやめます』と。すると、旧統一教会では『竹迫が裏切った』という話になって」
本心ではやめるつもりはないのに、家には脅迫まがいの電話が。