そのせいで、気がつかないうちに首を前に突き出していたり、頭が下がり気味になることも。これが首に負担をかけ、背骨のスタート位置である頸椎をゆがませているのです。本来、首は横から見るとゆるやかな曲線を描いています。それが悪い姿勢などでクッション機能を失うと、頭の重さを首と肩の筋肉だけで支えることになるため、首こりや肩こりを招くだけでなく、骨にも負担がかかり、頸椎症に進むケースも。このような曲線を失った首を、ストレートネックと呼びます」
■首の曲線は体のバランスを守るための大切な仕組み
曲線が失われて体のゆがみが本格化すると、肩こりのほか、筋肉のこりによる頭痛、頸動脈の圧迫による血流不足からの目や脳の働きの鈍化、頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアなどが生じる。
また、首や背中だけでなく腰やひざにも負担がかかり、痛みを伴うことも。そのうえ、自律神経の働きが乱れて不眠症になり、血圧などに影響することもあるという。
「首周辺の痛みや不快感は、全身の痛みにつながります。
たとえば、腰椎の曲線がゆがみ、全身の体重が腰にかかると、こりや痛みが出たり、骨盤のゆがみから股関節に負担がかかって痛みを招きます。また、そのゆがみから坐骨神経痛へと悪化すると脚の痛みに。