「プロポーズのとき、ペアは決まっていなかった」奇跡のW双子夫婦が初告白
モーター音が響く工場内。夫婦ペアで分担して仕事をこなすが、美智子さんが段取りを決め、喜久子さんが経理を担当
【前編】W双子夫婦仕事も家も4人で50年!夫婦2組の「生涯いっしょの誓い」から続く
「おはよう!今日もおんなじね」
幾何学模様のブラウスをまとった喜久子さんが、同じ装いの美智子さんに声をかける。2人はそのまま、合わせ鏡のように並んで朝食の支度に入る。一方が数種類の野菜を手早く洗い、もう一方はフライパンをコンロにかけて、火を点ける。数分後、忠義さんと孝晴さんが、同じジャージスタイルで下りてくる。まず2人はそろって洗濯機を回し、その後、台所へ急ぐ。孝晴さんが、自家製のらっきょうや漬け物などをテーブルに並べ始めると、忠義さんは冷蔵庫から豆乳を出して温め、手早くコップに注ぐ。
まったく無駄のない動きだが、
「仕事だけじゃなく、家事もすべて役割分担なの。1日のパターンはすっかり決まっているんです」
と忠義さんが言う。
ここは名古屋市北区にある「ソーイング・ブラザー」。
一卵性双生児である忠義さんと孝晴さんが54年前、2人で設立した縫製工場だ。
孝晴さんの妻・喜久子さん(74)