2023年5月11日 06:00
今も救急搬送の困難事例が続出…コロナ5類化でも懸念される「医療崩壊」リスク
しかし、そのことが「院内クラスターが発生するリスクを高めてしまう」と指摘するのは、立川相互病院(東京都立川市)副院長の山田秀樹さんだ。
「うちも5つある一般病棟のひとつをコロナ病床にして受け入れてきましたが、5類移行後はコロナ病棟を廃止し、一般病棟をパーティションで区切って受け入れることになります」
しかし、感染した認知症などの高齢者が院内で徘徊して感染を広げる恐れもあり、職員の緊張感も増すという。
「そうなると、職員が感染対策に不慣れなうえに老朽化で換気設備が不十分な病院などは院内感染のリスクが高すぎて、受け入れが進まないのではないでしょうか」
前出の大利さんは、5類に伴う自己負担の影響を心配している。
「手術前の入院患者全員に実施していたPCR検査も中止になります。入院後に症状が出るケースが増えることを懸念しています」
院内クラスターが多発すれば、入院患者の命が危険にさらされるだけでなく、医療スタッフの感染も懸念される。感染したスタッフが出勤停止になれば、さらに受け入れが制限されることになる。
■地域の状況に応じた対応策を
高齢者施設でのクラスターは今も続いている。