2023年5月11日 06:00
今も救急搬送の困難事例が続出…コロナ5類化でも懸念される「医療崩壊」リスク
総務省の統計によると4月30日までの1週間に発生した“救急搬送困難件数”は、全国で2610件。第8波のピーク時(8161件、1月9日〜1月15日)よりは大きく改善されたが、2020年の同時期が1650件前後だったことを考えると、いまだ高い水準にある。
■一般病棟での受け入れで懸念されるクラスター
しかし、このような状況にあっても、コロナ受け入れ可能な病床は、増えるどころか“減って”いるという。
「都立駒込病院は、ピーク時で約120床のコロナ病床が運用されていましたが、現在は1病棟で約30床。患者数は増えてきていますが、それに対応して入院患者は増えていません。入院が必要な方が医療につながれていないのではないか、と懸念しています」
そう明かすのは、都立病院労組書記長で看護師の大利英昭さん。大利さんが指摘するように、5類への移行に伴い、東京都は段階的にコロナ病床を10月末までにゼロにすると発表している。
大阪府は最大確保時の約6割にあたる3140床に。
神奈川県は2200床を650床に。千葉県は9月末までに1113床から363床に減らしていくという。5類移行後は、一般病棟でもコロナ患者を受け入れるので、病床の不足は起こらないと政府は説明している。