風の谷の熱血園長 親子の体温、子供の責任感を信念に理想の幼児教育を根付かせた25年の奮闘
逆に、共通しているのは、子供がないがしろにされている状況でした」
そんななか、和光幼稚園(世田谷区)での視察が転機となる。
「自然とふれあうなかで、子供を主体にした教育プログラムが組まれていました。それまでは、いかに大人が子供をラクに管理するかと考える園ばかりでしたから、これは衝撃でした。
ここで働きたいと思いましたが、30歳を超えている人は採用しないと言われ、頼み込んで臨時職員で働き始めました。それこそ1日3時間睡眠で、人の3倍働いて、2年後に本採用となるんです」
和光幼稚園での生活が7年目になったとき、自分の目指す幼児教育の方向が見えてきた。
「最終的に14年勤めて、やるべきことはやったと思って辞めるんですが、ちょっと燃え尽き症候群のようになってしまって。和光時代に父親を亡くしたんですが、仕事に没頭して満足に介護をしてやれなかったので、次は老人介護を勉強しようと思って、今度は地方へも視察に行きました」
そこで、当時、話題になっていた老人ホームと幼稚園などが一体となった施設を訪問するなかで、再び幼児教育の驚くような現状を目の当たりにすることになる。
「個性重視をうたいながら、クラスカラーで色分けされた制服を着ていたり。