「サブカル少女が、お笑い猛獣の檻に放り込まれた」清水ミチコ 挫折と転機の『夢で逢えたら』
だが、そもそも武道館はミチコが目指していた舞台ではなかったという。
「じつはあるアーティストが武道館ライブをドタキャンして、急きょ、イベンターさんから『代打をお願いできないか』と穴埋め的に頼まれたのがきっかけなんです。
収容人数が1万人ですから怖さもあったんですが、イベンターさんに『こちらもできない見込みの人には頼みません』と言われて決意。1回目はゲストに登場してもらったんですが、2回目からはひとりでやるようになったんです」
ツアーでは、意識的に最新のニュースを取り入れているのも特徴だ。昨年、大阪のフェスティバルホールでの公演は、奇しくもプロ野球の阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードと重なった。
「私のファンがクラウドファンディングでお金を集めて、パレードまで用意してくれて……。大阪、ありがとう!」
こんなボケで会場の空気を作ったのだった。
こうしたステージは、8年ほど前からツアーに参加している、清水家の家業・JAZZ喫茶を継いでいる弟の清水イチロウさんや、帯同している夫らと作り上げている。
そういえば、この日、リハーサルで将棋の藤井聡太名人のモノマネをする際も、こんなやりとりがあった。