発がん汚染物質“PFAS”が川魚から検出、アサリやタラにも…専門家が食の安全に警鐘
現在は、とくに腎臓がんのリスクと心疾患の危険因子となる血液中のコレステロール値の上昇が認められている。さらに子供の発達の遅れや免疫力の低下の影響も。
「健康被害の指摘を受け、’10年を境にPFOAを含む一部のPFASは国際的に製造と使用が禁止されました。しかし、14年近くたっても消えずに、全国各地の地下水から国が定めた指針値50ng/リットルを超えた値が検出され続けています」
米軍基地やPFASを使用していた工場から染み出して汚染したと考えられる沖縄や東京の多摩地区などの地下水が代表例だ。
’23年12月に本誌が報じたように、神奈川県や兵庫県、静岡県など、全国各地の河川や地下水などで指針値を超えるPFASが検出されている。
「しかも、今回の道保川の魚の調査のように、汚染された場所では食品にまで高濃度で見つかるケースが出てきたんです。道保川の場合、約2km北に米軍基地や工業密集地帯があり、100~300ng/リットルのPFASが検出され続けています。ここの川魚のカワムツの汚染度は、肝臓に14万ng/kg、身の部分には2万9千ng/kgもの高濃度でした。
これは魚の平均値と比べて約340倍(環境省調査)。