くらし情報『発がん汚染物質“PFAS”が川魚から検出、アサリやタラにも…専門家が食の安全に警鐘』

発がん汚染物質“PFAS”が川魚から検出、アサリやタラにも…専門家が食の安全に警鐘

’20年6月に、全国で最も高濃度の汚染水が発覚した大阪府摂津市の野菜からもPFASが検出された。汚染源はPFOAを製造していたダイキン工業淀川製作所と考えられている。

「そこで、製作所に道路をはさんで隣接する家庭菜園で取れた野菜を調べたところ、じゃがいもやさといもから100ng/kg前後、なすからは300ng/kg超の量が検出されました。製作所近くで育てた野菜を食べている住民の血中濃度を調べると、かなり高い値でした。野菜を食べるのをやめてもらい、1年後に再度、血中濃度を調べると3割ほど低下していたので、やはり野菜から多く摂取していたと考えられます」

近年、原田先生が懸念しているのが、下水汚泥肥料の利用による土壌汚染の問題だ。下水処理場で発生した汚泥には、リンや窒素が豊富に含まれているため、肥料へのリサイクルが進んでいるのだ。

「この汚泥にPFASが混じっていることも多く、米国では農地が汚染された事例があります。そこで、昨年に米軍基地が多く汚染水も指摘されている沖縄県産や佐賀県産などの汚泥肥料を琉球新報と共同で調べたところ、やはり高い濃度で見つかりました」

つまり、未調査で汚泥肥料を使用すれば、知らず知らずのうちに土壌汚染につながる恐れがあり、そこで育てた野菜にも影響が出る恐れがあるということだ。

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