86歳、カワイイぼっちでハッピー!オッケー! イラストレーター・田村セツコさん
この先、大事なことと思いますが、正直、まだピンとこない。
年金も、郵便局の通帳に振り込まれますが本当に少ない額で、その内訳などもよくわかってないの。ただ私は、千円札1枚あれば大丈夫。ポケットの小銭でも、夢さえあれば、豊かに暮らせると思うんです」
さらに年齢とともに増す、認知症への不安についても、
「それも実は自然なことで、私は人が“うららか”になると受け止めています。
たしかに、今まで『難しいことは明日考えよう』できたけど、そろそろ真剣に考えなきゃと思いますから、明日考えます(笑)。
ただ、『お葬式はしません』とは、周囲の人に伝えておかなきゃね。『田村セツコ孤独死』もかまわない。お別れパーティも、来る人が面倒くさいじゃない。
それは申し訳ないと思うの。
そんな心配より、今日を楽しく生きなきゃ。それでいつかは、お墓の中から『ボンジュール!』って、私らしいと思わない?」
あっけらかんと言える背景には、好きな仕事を選び、今もバリバリ現役で描き続ける日常がある。
「結婚もしなかった。憧れはありましたよ。人並みに、そんな恋愛話でにぎやかな時期もありましたし(笑)。でも、ギリギリの決心のなかで、私には仕事と家庭の両立は難しいかなと思ったの。