岸田首相「物価高、負担増も賃上げで解決アピール」も中小企業の給与は上がらない
今年は「賃上げをする予定」が27.3%と賃上げする企業が半減し、「賃上げの予定はない」は34.6%で、残りは「まだ決めていない・無回答」だったという。
関東学院大学経済学部教授の島澤諭さんが現状を分析する。
「2023年、中小企業では人件費高騰による倒産が過去最多となる59件も発生。一度上げたベースは簡単に下げられないため、身の丈を超えた賃上げは倒産につながりかねない。賃上げをためらってしまう要因でしょう。体力のある大企業との格差が広がっています」
経済評論家の加谷珪一さんは、こう語る。
「現状を考えると、納得のいく数値です。それほど中小企業の経営は厳しい。
日本の中小企業は、大企業が安くてやりたがらない仕事を請け負う、下請け的な側面があります。
その大企業ですが、この30年で売り上げが横ばいにもかかわらず、利益が上がり続けています。それは徹底的なコストカットによるもの。そのしわ寄せが中小企業にきているのだから、業績がよくなるわけがありません」
■賃上げがないのは給与ダウンと同じ
3月4日、日経平均株価がはじめて4万円をこえた。こうした“好景気”が続けば、いずれは中小企業も賃上げがあるのでは、と期待してしまうが……。