岸田首相「物価高、負担増も賃上げで解決アピール」も中小企業の給与は上がらない
「円安によって日本円の価値は3分の2にまで下がりました。ただ、日本の企業の価値がそこまで下がったわけではないので、その期待感から株高になっているだけです。
投資家は一定程度まで株価が上がれば売りに走るので、暴落する可能性もあります。そもそも30年でアメリカの株価は10倍になり、日本はようやくバブル期に追い付いただけなので、日本株は高くはないのです」(加谷さん)
中小企業の賃上げが難しいなかでも、物価の上昇は続いている。
「2023年の消費者物価指数(価格変動しやすい生鮮食品を除く)は前年比の+3.1%です。
前年と同じ買い物をしたとしても、3.1%も支出が増えるということです」(前出・全国紙記者)
1月24日に発表の日本銀行「経済・物価情勢の展望」では、2024年度の消費者物価指数は+2.4%(生鮮食品を除く)と予測されている。今年も物価上昇は続く見込みだ。
直近でもニチレイフーズの冷凍食品などが3月1日納品分から約1〜6%、デルモンテのトマトケチャップなど39のトマト調味料が4月1日納品分から約7〜15%値上げするなど、身近なものの価格が上がっている。
「物価が上昇しているのに賃金が据え置きならば、実質、賃金ダウンすることと同じです」