毎晩洗面器1杯分の野菜を食べる…村上春樹の知られざる素顔5
(齋藤さん・以下同)
【2】おもな文学賞は総ナメだが、芥川賞だけとっていない
29歳の春、神宮球場で野球の試合を観戦中、小説を書こうと思い立つ。翌年、書き上げた『風の歌を聴け』が「群像新人文学賞」を受賞。晴れて小説家デビューを遂げた。
「同作と、2作目の『1973年のピンボール』が芥川賞候補となりましたが、どちらも落選。アメリカ文学の影響を受けた斬新な作風で、審査員の評価が分かれたようです。ですがそれ以降、谷崎潤一郎賞をはじめ、最近では海外のアンデルセン賞など数々の文学賞を受賞しました」
【3】『ノルウェイの森』の装丁は村上氏自身のデザイン
デビューから約3年後、執筆活動に専念するため海外に居を移した後に発表した『ノルウェイの森』が大ベストセラーに。
「上下巻の単行本の、赤と緑の装丁を覚えている方も多いでしょう。じつはこの装丁は、村上氏自身のアイデア。
『一〇〇パーセントの恋愛小説!!』という帯のコピーも村上氏によるものです。原稿にとどまらず、書籍のデザイン、紙や活字の選定、価格や広告まで、書店に並ぶまでのすべての工程をチェックするのが村上流。