「足し算のお勉強したい」震災当日に被災地で生まれた子
その視線の先には元気いっぱいの愛娘。「小学校入ったらね、足し算やりたい。私、お勉強大好きだからー」(琉菜ちゃん)。
■大久保真弥くん(’11年3月11日23時44分・宮城県塩釜市生まれ)
「ランドセルに入れるものはね、ふでばこ!ノート!あとはお菓子かな?」と顔をクシャッとさせて笑う真弥くんは、ヤンチャ4人兄弟の3番目。洋服はお兄ちゃんのお下がりが多いけど、ランドセルだけはピッカピカだ。6年前のあのとき、母・真貴さん(35)は定期検診へ。いつもは車で行っていたが、あの日だけは運動のために歩いていた。真貴さんが振り返る。
「地震の後、真弥の兄たちがいる海沿いの家に走っていました。でも、不通だった携帯が鳴り、夫から“高台にいろ”と。車だったら、この子もろとも津波に流されていたかもしれません」
避難所で産気づき生まれた真弥くんが小学生に!そんな真弥くんからママにプレゼント。「この前、真弥からお兄ちゃんに代筆してもらった手紙をもらいました。“津波のときに守ってくれてありがとう”と書いていたんです」