「足し算のお勉強したい」震災当日に被災地で生まれた子
(真貴さん)。
■大町云櫻くん(’11年3月11日16時04分・宮城県仙台市生まれ)
「オレ、小学校に上がるの嫌だな。だって先生怖そうだもん」と、少し不安顔の云櫻(いっさ)くん。だけど、新しいランドセルを背負うとうれしそうに駆けだした。
「分娩室で大きな揺れがきたときは“もう産むのやめる!”と叫んでいました。あの震災では友人を亡くしたし、そのあとも、物資不足や放射能など不安だらけ。今でも雪が降ると思い出してしまいます。でも“いっくん”の笑顔に支えられてきました」と母・左嘉絵さん(40)。
お肉が大好きで「お肉以外で、好きなのはステーキと焼き肉!」と……、そんなおちゃめな云櫻くんの言動が、家族を笑顔にしてくれている。自動車が大好きで、見ただけで、メーカーと車種名まで答えられる。
「いっくんは、地震の日に生まれたことを知っているようで、“オレが生まれたときに、いっぱい人が死んだんでしょう”と話していました。だから、優しくて、人の気持ちがわかる人になろうねと話しました」(左嘉絵さん)
春にはピカピカの1年生の元気な声が、被災地から聞こえてくる。