くらし情報『紅白歌手宮城まり子、芥川賞作家の夫と建てた療護施設の思い』

2017年4月14日 06:00

紅白歌手宮城まり子、芥川賞作家の夫と建てた療護施設の思い

ねむの木学園は4月で創立50年目を迎えた。

ねむの木学園の名付け親は吉行さんだ。設立当初、名前を絞りきれなかったまり子さんは、講演のために地方にいた吉行さんに、候補名を書き連ねて、電報を打った。夜遅く彼からの返電が届く。《ねむの木学園がいい。それに決めたまえ》。吉行さんは学園の理事も引き受けてくれた。

2人の出会いは、雑誌の鼎談の席だった。
’57年、まり子さん30歳、吉行さん32歳。当時、まり子さんはNHK紅白歌合戦にも出場する人気歌手。吉行さんは2年前に『驟雨』で芥川賞を受賞し、“第三の新人”と称された新進気鋭の人気作家だった。彼と目が合った瞬間、まり子さんの背中を雷に打たれたような戦慄が走ったという。

まり子さんが、障害がある子供たちの現実を知るようになったのは、吉行さんと出会ったころと同時期だ。当時、彼女は『婦人公論』で「まり子の社会見学」という連載を持っていた。その取材で小学校の特別支援学級を訪ねたとき、知的障害がある子の教育がないがしろにされていることに疑問を抱いた。

脳性まひの少女の役を演じることになったときに見学に行った施設で、親に捨てられ、もしくは死別し、生活の場も学校教育も与えられていない障害児がいるという悲しい現実も知った。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.