77歳“FPの母”が語る「余命宣告とリビングニーズ特約」
「被爆者は、がんを発症する確率が非被爆者の2倍といわれているので、若いときから覚悟はしていました。それに、さすがに現役世代ならもっとショックを受けていたかもしれませんが、もう後期高齢者ですからね。むしろ息子や娘のほうがオタオタしていました」
だが、余命期間については小野さんの心情をおもんぱかってか、主治医はなかなか教えてくれなかった。
「私が誘導するように質問をして、ようやく『(閉塞性)肺炎を起こせば、明日かもしれません』と聞き出しました。そして、余命を知ったことで、仲間が生前葬を執り行ってくれたんです。みんなからの寄付で、ドレスもプレゼントされ、大事な人たちにお別れの挨拶ができました」
自分のやり残しは何か、延命治療は受けたくない、最後は痛みを取り除いてホスピスで穏やかに過ごしたい……。“その後”の生き方も冷静に考え抜いた。ただ、悔いのない最期を迎えるためにはお金も必要だ。
ここからの行動は、まさに“FPの母”ならではだった。
「かつてFPとして生命保険関係の原稿を書いていたころ、まだ創業間もないプルデンシャル生命を取材する機会があったんです。