第20回「葉月里緒奈「魔性の女」報道に見える“騙された男”側の都合」
そんな彼女が離婚し、子を手放し、新たな恋愛を始めていると知れば、世間も気になるのでしょう。
たしかに葉月里緒奈=魔性の女というイメージはマッチします。しかし注目を集めるために使われる「魔性の女」というフレーズには、受け手の都合も隠れているように思います。それは“騙される男の逃げ道”です。
たとえば自称“魔性の女の被害者”なる男性は魔性の女という言葉を使うことで、「女の摩訶不思議な魅力に毒された!」と情にほだされた不甲斐なさを帳消しにできます。また騙された男のパートナー女性も「夫は魔物に心を侵されたのだ!」と自分を納得させ、相手を許すことができるのかもしれません。
つまり葉月さんの魅力に摩訶不思議なパワーを重ねることは、“並外れた色っぽさや危うさやふてぶてしさを真正面から見据えなくてすむ”というメリットがあるのです。「魔性の女は情動的で理解不能な行動をするもの」という思い込みのベースがあるから、世間も野次馬感覚で彼女のカムバックにいろいろ言えるのでしょう。
ただ1つ、筆者には納得いかないことがあります。