長女の誕生日にシリアへ…戦地の女性の刺繍作り支援する考古学者
そんな過酷な状況のなかでも、山崎さんは当初から、女性たちへの一方的な支援ではなく「協働作業」にこだわった。
「糸などの材料と売り上げを日本から送り、それでシリア人女性たちが刺繍したワッペンや“くるみボタン”などの商品を送ってもらうシステムですが、いずれ国の状況が安定したときには、彼女たちのビジネスとして自立してほしい」
イブラ・ワ・ハイトの刺繍は現在、通販や国内ミュージアムなどでの販売が主だが、素朴でカラフルな味わいが口コミで広がり、入荷待ちの商品も多い。
「日本でこれほどシリア刺繍が求められていることが、いま、苦しい毎日を送る現地の女性たちの頑張りの支えになっています」