渡辺真理 自宅療養の両親と過ごす17年、迎える50歳の誕生日
17年にわたる両親の療養生活で、多くのことを学んだ渡辺さん。両親の介護で見えてきた、新しい「家族」の形とは−−。
「同じサービス業として、介護職の方々の真摯な姿勢から学ぶところは、とても大きいです。加えて、ひとつ屋根の下に暮らしていると、もちろん仕事として居てくれるわけだけど、ゆるく家族のようなつながりも生まれていって。『いってらっしゃい』『ただいま』を言い合ったり、年越しそばやおせちも私が作ったものを囲んだり、仕事の現場で豪華なお弁当が出ると、自分の分を持ち帰って母とヘルパーさんとで半分こしてもらったら喜んでくれるかな?とか。両親が年を重ね、介護という季節に入ったから出会えた方たち。築ける共同体もあるっていう経験は新鮮です」
母娘を支えるのは介護スタッフだけではない。精神的な支え、それは’08年に結婚したフジテレビ勤務の夫の存在だ。
「夫ですか?私よりずっときめ細かで、優しい人です。ノロケじゃなくて、なんと言えばいいのか、親や家族との向き合いを通すと、男女という以前の、人としての彼の芯が見えてくるというか。先日も母の部屋のエアコンを『最新の空気清浄・加湿機能つきにしたら、免疫力が低下したときも少しはいいかも。