“セクハラ”誕生から30年…日本の意識はどこまで変わった?
牟田さんに話を聞いた。
「その後もおよそ30年の間、少しずつ社会状況は変わりつつあるとはいっても、まだまだ被害を口にできず、自分を責め続け、我慢している人が多い現実を思えば、現在もセクハラを取り巻く状況は課題が山積みのままです。そんなとき「#MeToo」の世界的な波及によりセクハラへの意識が高まり、女性たちが『悪いのは自分じゃないんだ』と自覚し、声を上げ始めたことはうれしい驚きでした」(牟田さん・以下同)
世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダー・ギャップ指数では、日本は’13年には136カ国中105位、’16年も144カ国中111位と、先進国でも順位が低いままだ。
「これらの解決策としては、社会にもっと決定権を持つ女性が増えることが重要だと思います。最も期待するのは女性議員ですが、それは企業の管理職でも、メディアでも同じことが言えるでしょう」
今後は、女性の権利はもちろんだが、LGBTや高齢化社会のなかでのお年寄りなど、弱い立場の尊厳や権利が守られる社会にしていかなければならない、と牟田さん。
「セクハラに対する第1の防衛法は、ふだんから“シミュレーション”をしておくことでしょう。