特別養子縁組で「母」になって。元TBSアナ・久保田智子さんが「ちゃんとしたママ」の呪縛から自由になったとき
ーーその時点では、久保田さんとのりさんとで知識量にかなり差があったんでしょうか?
久保田そうです。私としては「ご縁があったら、すぐにでも迎えようよ!」という気持ちだったんですが、夫は「ちょっとだけ待って!きちんと調べて考えをまとめるから」と。彼は何事も軽やかに肯定的に受けとめるのですが、いざとなれば真剣に調べて考えます。今思えば、真摯な態度だったなと思います。
2歳から伝えてきた「生みの母」の存在
<TBSドキュメンタリー映画祭2024>ライフ・セレクション上映作品『私の家族』監督・語り:久保田智子(c)TBS
ーーその後、ご夫婦で意見が一致して、養親の登録まで進まれたのですね。
久保田はい。養親の登録をするにあたって、特別養子縁組や子育ての研修を受けたのですが、これがとても良い内容でした。実は夫婦だけで話していると、「お互いがどこまで理解できているのか」がわかりづらいんです。
でも、相談員さんが私たちにいろいろな質問をしてくれることで、夫婦双方の理解度や、気持ちがよくわかりました。
ーーどのような質問をされるのでしょう?
久保田たとえば「どうして子どもを育てたいのですか?」