特別養子縁組で「母」になって。元TBSアナ・久保田智子さんが「ちゃんとしたママ」の呪縛から自由になったとき
血のつながりはありませんが、私たち家族は日々を積み重ねて絆を積み重ねる。毎日必ず動画や写真を撮り、アーカイブしてきました。基本はホームビデオだから、全員の表情や発言が自然だし、とてもリアルなのだと思います。
「自分勝手」という表現は事実と異なる
特別養子縁組は「可哀想なこと」ではなく「幸せなこと」だと知ってもらいたい
ーー『私の家族』では、はなちゃんとは直接関係のない方ですが、特別養子縁組で子どもを託した「生みの母」の女性が出演されていますよね。
久保田これは『news23』の取材で撮った映像を使わせてもらいました。彼女は私が特別養子縁組で子どもを育てていると公表した後に、メールをくださった方なんです。彼女は養親について知りたいという気持ちがあり、私も「生みの母」についてもっと知りたいと思っていたので、3〜4年間メールのやりとりを重ね、番組の企画でやっとお会いすることができました。
ーー「生みの母」という立場の女性、そして「養親」という立場の久保田さん。
メールのやり取りと取材での対話を通して、どのようなことを考えられましたか?
久保田もっとも考えさせられたのは、「生みの母」の声が可視化されていないことでした。