「血が、汗が、涙がデザインできるか」 伝説のデザイナー石岡瑛子の世界初の回顧展をレポート!
展示風景より「Timeless:時代をデザインする」の章
「Timeless:時代をデザインする」の章では、資生堂での活躍後、1970年に独立した彼女の活躍を紹介する。パルコの広告キャンペーンのほか、本の装丁やパッケージデザインなどさまざまな分野を手がけ、時代の空気そのものを作りだしていたことがわかる。
展示風景より パルコの校正紙
石岡の赤字を入れた校正紙から、僅かな陰影や文字間にまでクオリティを追求する市井が伺える。
味の素AGF インスタントコーヒー「マキシム」(1989年)
ちなみに、インスタントコーヒー「マキシム」のパッケージデザインも彼女の仕事。ボトルのデザインは、これまた世界的なデザイナー、倉俣史朗によるものだ。
順風満帆にキャリアを積んだ石岡は、1980年に日本を離れ、ニューヨークに拠点を移す。第2章の「Fearless:出会いをデザインする」では、この時期の彼女の活動を紹介する。
石岡は、アメリカで活動を開始するにあたり、日本でのキャリアをまとめ、『石岡瑛子風姿花伝 EIKO by EIKO』として日米で書籍化した。この本がきっかけとなり、アメリカでも次々と大きな仕事を任され始める。