くらし情報『平凡な日常と“人類46億年の歴史”を描く! 沖田修一監督が語る映画『おらおらでひとりいぐも』』

平凡な日常と“人類46億年の歴史”を描く! 沖田修一監督が語る映画『おらおらでひとりいぐも』

とは言え、完成した映画は原作を大きく改変したり、まったく違う物語を描いているわけではない。

「セリフとかキーになる言葉とか展開は、原作からそのまま引っぱってきました。原作者の若竹先生からも『原作をよく読んでくださった』って言っていただけたんです。だからすべてを作り直して、自分なりの映画にはしてるんですけど、結果として原作通りという……謎の状態になっています(笑)。原作をそのまま映画化するのって、くやしいはくやしいじゃないですか(笑)。そのまんまやってしまったら、それは映画化ではなくて単なる原作の“映像化”なので、それはやりたくない。だから基本的には原作も映画も結果として“同じ味がする”って発想でやっていたと思います」

本作は映画化に際し、様々な工夫や演出が試みられており、桃子さんを通じて沖田監督は自分の母のことを描こうとしていることから、桃子さんの暮らす家は沖田監督の実家がモデルになった。

「実家からモノも持ってきたので、撮影スタジオにウチの実家が移動してきた感じです(笑)。
もちろん、いつも美術をやっていただいている安宅(紀史)さんの良さみたいな部分も出てるんですけど、桃子さんのモデルを自分の母親にしたので、撮影スタジオに実家を作るってことになったんでしょうね。

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