シド『承認欲求』インタビュー 「16年の色濃い歴史を乗せて、新しい扉を開く」
それが満たされた瞬間かな。ライブをやっていて、キャー!とかマオー!とかっていう声が、ウワーー!っていう声じゃない、何か音みたいなものになった時に、なんかキタな俺!っていうので一回満たされた感じがしますね。なのでそこからは、最初の原動力だった「人気になりたい」ばっかりじゃないところをもっと突き詰めていきたいというのは感じました。それがどのライブだったかっていうのは分からないですし、いまだにキャーキャーやっぱり言われたいですけど(笑)でもそこが全てじゃないなと。
——キャーっていう声には今もエネルギーを感じる?
マオなんだろうね、あれは。自分の歌で、明らかに何かが動いているっていうのを感じるからかな。自分の歌に対して興奮して人がキャーって言ってるんじゃなくて、何かが動いてるっていう。一個ずつ紐解いていくと、聴いている人たちの人生だったりとか、みんなそれぞれが動いていて。
自分の歌詞だったりとか歌だったりとか曲だったりで。それを感じたときに「ただ人気になりたい」とかじゃいかんなって、発信するものもちゃんとしなきゃなって、しっかりそこで思ったんですよね。
——マオさん個人だけではなくて、シドとしてもそれは、変化した瞬間だったのかもしれないですね。