くらし情報『尾上右近「純度100%の歌舞伎愛を伝えたい」 自身の限界に挑む自主公演『研の會』に込めた思い』

2023年6月16日 20:00

尾上右近「純度100%の歌舞伎愛を伝えたい」 自身の限界に挑む自主公演『研の會』に込めた思い

尾上右近「純度100%の歌舞伎愛を伝えたい」 自身の限界に挑む自主公演『研の會』に込めた思い


――先輩方から技術とともに思いも受け継がれていくものなのですね。今回は舞踊家であり振付家である尾上菊之丞さんのご子息、羽鳥嘉人さんが初舞台を踏まれるとのこと。右近さんも子役の頃から舞台に立たれています。

実は僕が初めて舞台に立ったのは、嘉人くんのお父様である菊之丞先生のお姉様、尾上紫さんが『京鹿子娘道成寺』を舞踊公演で演じられた時なんです。歌舞伎の初舞台は7歳なのですがそれ以前、4つか5つの時でした。その僕が『道成寺』の白拍子花子を初役で挑戦するこの公演で、嘉人くんが初舞台を踏む。嘉人くんは『夏祭浪花鑑』の方での出演ですが、循環しているな……と感慨深い思いがあります。自分の中で、歴史の1ページがめくられる思いです。
歌舞伎の世界は大きな家族だなと思うし、自分だけでやっているのではなく、歴史の中に自分がいて、お互いに関わり合っているんだなと改めてかみしめています。

ミュージカルの経験で得たもの

――さて話は変わりますが、昨年右近さんは『ジャージー・ボーイズ』で、ブロードウェイミュージカルに初挑戦されました。その経験は、歌舞伎に戻った時、あるいは清元の太夫としてのお仕事に、何か影響を及ぼしていますか。

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