2022年2月26日 10:05
『地球外少年少女』キャラクターデザイン・作画監督 吉田健一氏インタビュー「宇宙へ夢を抱く子供たちに種を蒔き続けたい」
、そこは磯さんは堅苦しい整合性でなく面白さを選んでいます。
広い世代に受け入れられるキャラクターの模索
『地球外少年少女』
──磯光雄監督と吉田さんとの出会いは高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』(1991年)ということになるのでしょうか。
吉田そうです。ジブリの新人だった頃、磯さんが原画を担当された「タエ子が体育を見学しているカット」の動画を担当したのが最初でしたね。自分が右も左も分からないような時に、磯さんは既に第一線で活躍されていらして。以降もずっと、次元の違う先輩という感じですね。
──磯監督が吉田さんを指名されたのは大きな期待があってのことだと思うのですが。
吉田僕に声がかかったのは、磯さんが今までとは違う方向のデザインを求められていたからではないかと思いました。
軽さや明るさ、大衆性のようなものと言いますか。その辺りを意識して、「磯さんの目指す方向とは少し違うかも知れない」と思うようなデザインも描いてみて、擦り合わせの作業をかなりしました。
ただし、主人公の(相模)登矢だけは、磯さん自身が色濃く投影されたキャラクターだと思ったので、そこは余りブレないようにしたいと思いました。