くらし情報『[2020年映画興行総括] コロナ禍の1年。映画興行は『鬼滅の刃』の年だった。が、それ以上に洋画不在の年となってしまった。『パラサイト』で好調な出だし、だったのだが…。』

[2020年映画興行総括] コロナ禍の1年。映画興行は『鬼滅の刃』の年だった。が、それ以上に洋画不在の年となってしまった。『パラサイト』で好調な出だし、だったのだが…。

彼の作品としては、『インセプション』(35億円)に次ぐ27億2千万円を記録する大ヒットになった。ただ、映画館の休業が続く米国では思うような成績を上げられず、米映画界希望の星であった『TENET~』のあとが続かなかった。

12月上旬、その『TENET~』の製作・配給元であるワーナー映画が、来年の新作17作品について、米国での劇場公開と配信を同時に行うと発表するに及んで、米映画の行方はますます混沌としてきた。これは、「映画と配信」の兼ね合い、せめぎ合いが、米国をはじめとした世界の映画界の避けて通れない中心的な課題になってきたことを示す。このような事態は、映画界の生命線である映画館産業という当たり前であった経済基盤そのものを揺るがすことにつながるかもしれない。すでに米国の興行会社は、深刻な事態を迎えている。日本映画界は、邦画があるから大丈夫ということでは全然ない。邦画だけで、国内の映画産業が成立することはないからだ。
間違いなく、米映画界の影響を直接的に受ける。来年早々、「映画と配信」元年がやって来る。コロナ禍のなか、大激震となった世界の映画産業にとって、まるで次元の違う大激動の時代の到来である。

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