【くるりインタビュー】もしかしたら皆さんが感じられる“くるりっぽさ”の部分が詰まってる作品になっているかもしれない
佐藤2021年のツアーの時点でリリースとかあんまり関係なく「真夏日」とセットで新曲としてやってて、ツアーメンバーで録ったものなんです。だからそこからリリースまでが結構期間が空いたというか。岸田コロナもあったからね。なんて言うか、すごくシンプルな曲っていうんですか、そういうのができた時ってうれしくて。割とここ最近多いのは、アイデアとかモチーフ自体はシンプルだけど、それをとんでもないくらい磨き上げたりとか、すごいシンプルなアイデアを使ってプログレッシヴに構築したりということが多かったりするんですよ。
――アルバム『天才の愛』の1曲目「I Love You」なんかはまさにそんな感じでしたね。
岸田そうですそうです。あれもほんとはシンプルな曲なんですけど、これって魚の骨だけでできてるんですか?っていうような驚きのあるものというか。
でも「ポケットの中」みたいな曲っていうのは、出来上がったもの自体のメッセージがシンプルというか。そういうものって、いつも作りたいなと思うんですよ。ただそれを狙うとできない、狙うとまた違う形のものになるんで、これは降ってきたものに対してかなり忠実に作ったものです。