【くるりインタビュー】もしかしたら皆さんが感じられる“くるりっぽさ”の部分が詰まってる作品になっているかもしれない
オアシスでもブラーでも誰でもいいんですけど、まあ好きで聴いてはいたんですよね、当時は。
ただ、同時代であるからこそ、くるりでそういうのはやらなかったんです。今ボカロまがいのことをやるとか、K-POPまがいのことをやるとか、僕らがもし今20代のバンドやったとしても、それはやってない気がするんですよ。でも時間が経って、何周か巡ってきた時にはやりそうとも思っていて。
それは僕らが石橋を叩いて渡るタイプなのか、反抗的なのかわからないですけど、佐藤さんが言った「王道」っていう言葉を借りれば、それは今の王道ではなくて、昔自分たちのやってなかった王道っていう感じなんですよね。そういうコスプレじゃないですけど、今だったら誰もなんとも思わないだろうみたいな(笑)。逆に渦中にいるとオリジナリティとかそういうのを意識するのかもしれないですけど、例えばオアシスを同時代で浴びているフレッシュさも素晴らしいとは思いますけど、今みんなが聴いていない、かつてすごかった音楽を今聴いてみると、それはやっぱり残ってるものは素晴らしいなと思うことが結構多くて。今はストリーミングでいつのものもどこのものも並列に聴けるし、もちろん昔の音楽は古臭さを感じるものもあるから、これは賞味期限切れたな、あるいは今は聴くべきタイミングじゃないなみたいなのは正直あるんですけど、今だからこそ評価できる部分っていうのも結構あるなっていうのも日々感じていて。