【くるりインタビュー】もしかしたら皆さんが感じられる“くるりっぽさ”の部分が詰まってる作品になっているかもしれない
映画自体は大きい事件なんかが起こるタイプのものではないんです。もちろん印象的ないくつかのトピックはあるんですけど、心の在りようみたいなものが割と丁寧に描かれる物語だったので、ドンチャカドンチャカやるような音楽を劇中には作ってなくて。
ただ、ラストシーンがかなり展開のあるものだったので、エンドロールのところでしっとりした曲が入るよりは、もうちょっとバコンとしたものが入る方がいいだろうなと思いました。
――結構リズムが特徴的というか、グイグイくる曲ですもんね。
岸田そうですね。普通、こういうテンポのあるロックの曲って4/4拍子が多いと思うんですけど、この曲3拍子系なんですよね。だから時間の感覚というか、テンポはすごくあるんですけど、ゆったりと聴かせられる曲の構造になっています。
佐藤そういうアイデア自体は10年ほど前からあったものなんですけど、最近やってるくるりの曲のタイプとはちょっと違うというか、もうちょっとルーツに寄った90年代であったり、グランジであったり、そういう印象があって、やっぱり熱量のある曲だなって思いますね。
断片は『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』(10th/2010年)