【くるりインタビュー】もしかしたら皆さんが感じられる“くるりっぽさ”の部分が詰まってる作品になっているかもしれない
とツアーなんかも一緒にやらせてもらうようになって、なんかちょっとずつバンドになってきたというか、そういう感覚があったんですよ。
真面目に、というとおかしいですけど(笑)、普通にツアーメンバーを集めてレコーディングすることも多いんですが、ちょうどこの時は3人だけでレコーディングする機会があったんです。その時にすごく自然にできたっていうんですかね。気負わずに。鍵盤の人もいないから、石若くんにピアノを弾いてもらったら、当たり前ですけどピアニストのピアノじゃないのですが、でもそれがすごく気持ち良かったんです。なんか、今まであまり聴いたことのない音感というか、そういうところからも木管に繋がっていったりしたのかなと思います。この時の3曲なんかは、久しぶりにシンプルなバンドの核というか、気負わず自然に演奏できた曲なのかなって感じてます。
でもその、今の音楽シーンであったり――まあ別に昔からそんなことを気にしているバンドじゃないんですけど(笑)――なんかこう、武器みたいなものってみんな欲しいと思うんですよね。
ここが売りです、みたいな。でもそういうことじゃなくて、曲であったり、メロディであったりとか、そういうものが気持ちいいねって思えるような楽曲っていうのを素直に作品にできた感じというのがあって。