迷い込んだ世界で妻が“別人”になった理由とは? 『ラブ・セカンド・サイト』監督が語る
あのシーンでオリヴィアはピアノの前でスポットライトを浴びて光輝き、かつて人気作家だったはずのラファエルは客席で匿名の存在として座っています。それはある意味では残酷な展開です。しかし、彼は元の世界に戻ることができる段階まで来て、ある選択をします。この映画はそれまでたくさんセリフのある“おしゃべりな映画”だったから(笑)、最後の展開はパッとセリフをなくして映像と音楽だけで語りたかったんです」
流れるピアノの音色と、セリフのない映像が続く本作のラストは、キャラクターの感情が手に取るようにわかり、胸に迫る“映画でしか描くことのできない”表現で描かれる。愛や男女関係や、人生、運命について考えさせられ、観終わったあとは思わず自分自身の人生も振り返りたくなる本作は、題材や脚本が素晴らしいだけでなく、“映画としての語り”も優れた映画ファン必見の一作になっている。
『ラブ・セカンド・サイトはじまりは初恋のおわりから』
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