高橋優インタビュー/主催フェス開催間近「一緒に楽しい時間にしようっていう意味がどんどん深くなっていっている」
それってファインプレーですよ。言い返したら喧嘩になってたかもしれない。でも、それを誰も褒めてはくれませんよね。当たり前だと流されるかまったく気づかれないか。日常ってそういうことに溢れてるんじゃないかなって思ったんです。みんなその時その時でものすごく価値のあることをやっているはずなのに。
――そういう個人個人のファインプレーの集積の上に社会が成り立っている。
そう。
だからあなたはいい日々を歩いているんだっていうことをもう一度思い出してほしいって思ったんですよね。店員さんの態度がすごく悪かったのに、ありがとうと言ってお店から出てきた――その瞬間スタジアムいっぱいのオーディエンスがあなたに向かって歓声と拍手を送るっていう妄想が広がったんです(笑)。うおーー!って。そういう喝采が、あなたの日々にはいくつも起こっている、なんてことない日常を歩んでいる人たちにこそ喝采は起こっているんだっていうイメージから始まりました。
――それは救われるなー。
人生を歩めば歩むほどだんだん褒められなくなりますからね。
――“喝采”のイメージはすごくよくわかりました。一方で、タイトルで気になるのは“現下”という言葉で、あまり音楽的ではないというか、音楽の文脈で出てくることは稀な言葉ですよね。