日比谷野音ライブまであと数週間――。結成35周年を迎えるガールズパンクバンド・ロリータ18号の35年の変遷を辿る
やがてギターとしてエナゾウが参加。ロリータ18号が萌芽した時代だった。
一方、石坂マサヨのボーカリゼーションは、特に外国人から評価が高く、イギリス人が自国にロリータ18号のサウンドを持ち帰り、犬や猫の鳴き声と合わせてサンプリングした楽曲を発表。後に「カウス(語源は「イシザカウス」)」と名づけられたこの打ち込みの音楽は、世界中で評価され日本のパンクバンドの多くもカウスに傾倒。「あれはパンクじゃない」「いやパンクだ」など、キッズの間で物議を醸し出すことにもなった。
――同時期にマサヨさんとたこちが出会うことにもなったんですよね。
たこちそう。当時、私は下北沢の「朝日屋洋品店」っていう古着屋さんで働いていたんですけど、そこにマサヨもアルバイトで働くようになって。
元々私はCOBRAが大好きでパンクロック全般大好きだったから意気投合して。ただ、この頃はまだロリータ18号のいちファンに過ぎず、応援する立場でしたけどね。
法政大学の音楽サークルに参加し、メンバーが固まった頃のロリータ18号(1991年頃)
メンバーはみんな個性的である一方、どこか聡明な印象もあり、それがバンドの持ち味にもつながっていきました(1991年頃)